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詩)雪白

まっさらに広がるそれは
潔いシーツ。

ここからどう歩むのか、
試すように黙り込むそれは
白いページ。

この筆がどこに進もうとも
嘘になりそうで戸惑うのは
ナイーブ。

この不揃いな筆跡を
誰かに辿られるのは怖い。
でも誰かに辿ってみて欲しい。
だから欲しいのは消しゴム。

白い消しゴム。
辿りながら溶かして進む。
かじかんだ手も温まる
微熱を帯びてこっそり進む。

薄汚れた消しカスを
拾って集めて
焚べるのはストーブ。

すべてが黒く。
すっかり暗く。
だからもう寝よう。
積もるのを待とう。
そうしたら歩こう。
そしてまた書こう、
白昼夢への下降。



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All turns to be black. All gets totally dark…
白い消しゴムみたいだねって言われたら、だからそれは褒め言葉だと思う。
 2022.01.10. 修正・端書を加筆


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