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リンスのおはなし

 シャンプーとリンスは、一対のものとして使われることが多いものですが、そもそも、リンスとは何のために使うものなのか、ご存知でしょうか。
 現在使われている市販のシャンプーは大半が「弱酸性」の合成洗剤ですが、もともとはアルカリ性の石けんが用いられていました。人の肌は弱酸性であるため、アルカリ性の石けんで顔や体を洗うと突っ張る感じがます。ただ、皮膚にはアルカリ性になった場合に中和してもとの弱酸性に戻す力があるため、しばらくすると、自然にツッパリ感が消えていくのがふつうです。これに対して、髪の毛にはそのような働きがないため、シャンプーで洗ったあとに、アルカリ性になった髪を中和する必要がありました。そのために用いられたのが、酸性の水溶液であるリンスでした。

 しかし現在では、シャンプーは大半が弱酸性であるため、そもそもリンスを用いて中和する必要がありません。そのため、リンスは「コンディショナー」と名前を変え、髪をつややかにするために界面活性剤でコーティングするために用いられています。

 役割分担を明確にするとするなら、シャンプーは頭皮を清潔にするため、リンスやコンディショナーは髪をつやつやにするために使われるもの、ということができます。

 一方で、アルカリ性の石けんシャンプーを使う場合には、洗い上がりに髪がゴワゴワし、指のすべりが悪くなるために、リンスを使う必要があります。このとき、いちばん手軽に使えるのが「酢」です。洗面器に入れたお湯に大さじ1程度の酢を加え、これで髪をすすぐだけで、指通りのよいサラサラの髪に仕上がります。

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 「でも、酢でしょ? 髪から酸っぱい匂いがしてこない?」と、やってみる前は私も思っていました。が、酢の匂いはまったく髪に残らないので、安心して使うことができます。石けんシャンプーをお使いの方は、ぜひ試してみてください。


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