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《鬼頭哲也×オーソナタガ》インタビュー(中篇)「ひとりじゃないよってことが伝わればいい」

前回の続き。『オーソナタガとは何なのか。』J humind association代表、鬼頭哲也氏にインタビュー。

■必死な時はさみしいってあまり感じない。

―『個が立つ和の共同体』もそうだけれど、鬼頭さんがチームにこだわるのはなんでなの?

鬼頭:俺がいつも言ってる「個が立つ和の共同体」っていうのは自分が全部できなくてもいい。自分が好きなこと・得意なことっていうものと、自分に足りてないそれが得意な他の人と繋がっていけば、何かができる大きな力にはなるっていう考え方。

これは、自分がどう生きてきたか、どう変わってきたかっていうところにも繋がってくるけども、18歳からずっと管理者やってきて、いろいろ試行錯誤して、いろんな人に怒られながら、人から何もほぼ教えてもらうこともなく、あーやこーややって、全部ひとりでやってきた。

管理者って孤独だったんだよね。自分で全部やれちゃえばひとりで全部できるし、店舗ではやっぱり一番上だから。相談するにしても、店舗にいない人に相談したところで現状とは違う答えが返ってきたりするし、誰とも組めないんだよ。

―それは、さみしいね。

鬼頭:そこにいた時は必死だったから、あまり感じないんだよね。その環境の外に出て振り返ってみると「あ、孤独だったんだな」っていうのがわかる。

誰にも頼れないって勝手に決めてたんだなぁっていうのもわかったし、頼れないってことは「自分以外の人たちに自分で壁作ってたんだな」ってこともわかった。

それで、管理者を辞めて自分で何かをしようってなった時に、それまではがむしゃらに全部自分でやらなきゃと思ってやってきたから気づかなかったけど「自分に無理していたこと、不得手なこともある」って気づく。会社に所属してたら、いろんな人に指示したりして、自分の仕事は減らせるけど、自分ひとりの時は、自分で今できないことはもうどうしようもないから誰かの助けがいる。

出来ないことをまず認めるって大事だと思った。自分で出来ないって認識してしまえば、人と繋がれるし、人に頼るっていうこともできる。それは甘えだったり弱さだったりって言う人もいるかもしれないけど、強みでもあると思うよ。自分にできないことが得意で、それをやりたいっていう人もいるだろうし。「自分はこれが得意!」っていう人がいっぱい集まっていけば、個が生き生きした連帯でいろんなことが生まれていくと思う。

そうすると仕事で繋がったとしても、人として繋がってるから、個性だったりとか、発想力だったりとかでお互いさまの動きができる。自分が何も持ってなかったとしたら、気持ちだけでもいいじゃん。「私こういう風にしていきたい」って一個でも出せば、情報だったりとか、仕事だったり意見だったり役だったりとか色んな方向性で周りが提案をくれるから、その中でまた選べばいいと思うし。人と繋がるっていうこと、いいんじゃないかな。

さみしくないし。ひとりは嫌だよ~。俺はね。

■ひとりじゃないっていう状況がやっぱり大事

―そういう経験から、チームだったり個が立つ和の共同体をつくりたいっていう考えが生まれたんだね。

鬼頭:そうそう。伝えたいのは「ひとりじゃないよ」ってことだよね。自分で自分が壁をつくっているってこともあるし。

誰かと居ても、結局自分で孤独を感じるとかさ、物理的に人がいることが重要じゃなくて、心がどうかっていう問題でしょ。心がさみしいかさみしくないかってとこ。

まずは、自分でどういう壁をつくっちゃってるのかっていうことを、知ることなんじゃない。

自分に対してのイメージで、自分で動けない理由をつくっちゃってるっていうこともあるし。人と自分の壁っていうものがどう出来上がっているかが分かれば、どう取り外せるかがわかる。

例えばさ、『私はあんまり**さんには強く言えません』とか『ぼくはあの人より弱い立場なんで』とかいうことがあるけど、それって関係ないから。

―バッサリ行くね。潔いな。関係無いの?

鬼頭:うん。人対人だから、強い弱いとかは関係ないよ。意見を言うことに関しては立場も何もないじゃん。ただ話すだけでしょ。偉い人だったら話せませんってわけじゃないじゃん。

「あの人、立場が上だから喋れない」っていうのは、その人がその立場にいるせいで喋れないわけじゃないでしょ?自分がその人を上に立てて、自分が喋れない人だって思いこんでるから、喋れないだけでしょ。

自分が、あの人あの立場だから喋れない人っていうふうに決め付けるわけじゃんか。

―たしかに、そうだね。

鬼頭:人って自分で作っている壁があるからひとりになる。自分で作っている壁にどういうものがあるのかっていうことを知って、どういう風に壁が作られているのか、どうして壁を作ってしまったのか、っていう原因さえはっきりわかれば、それを取るっていう方法がとれる。それを取れればひとりじゃなくなるよと。いつも発信しているのもそういうこと。

壁が見えないと越えられないし、まず壁が目の前に今あるっていうのを自分で見てそれを越える。壊す。

あるってわかってはじめて、それを突破するっていう方向性が見えるから。壁が見えずにずっとぶつかってるだけだったら、どんどん自分に対して悪いイメージが膨らんで、できない意識が作られてきたりする。

自分が作った壁を取って、心がひとりじゃないってわかれば、頼ることもできるし、相談もできる。

―自分で自分の作った壁を見つけて、突破することで「ひとりじゃない」って気づいていくプロセスなのね。

鬼頭:壁ってひとりじゃ気づけないからね。チームにこだわるのはそこもある。

アインシュタインも言ってるじゃない。『いかなる問題も、 それが発生したのと同じ次元で 解決することはできない』って。

前にイベントで登壇した時も「自分の夢をかなえるために人と繋がるってことが大事」って500人の前で言ったけど、自分の意識だったり自分の頭の中で考えてることには、偏りもあるし、限界もあるし、違う視点は得られない。やっぱり自分の枠を広げたりとか、自分の方向性を変えるんだったら、人と繋がるっていうことが必要になってくる。

今向いてる方向性は、登山道で言ったら、目的地に真っ直ぐ行けてなかったりする場合もあるし、自分で気づけてない部分もある。それを一緒に登ってくれる人がいたら、心強いだろうし、切磋琢磨できるだろうし、やっぱり相方は要るよねって思うね。

ひとりじゃないっていう状況がやっぱり大事。ひとりじゃないんだったら、やっぱりチーム、最低でもペア以上は必要なんじゃないかなって思う。

やっぱりフォローする人はいるよ!1人じゃ限界来るから。爆発もするし。

―爆発する?

鬼頭:そう、爆発。

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