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騙される方が悪い

香港在住の友人 P. と中国本土に渡ったことがある。私の通訳のために社員の W. を同伴した。

P. は、北京語、広東語、英語、日本語を話す。W. は、広東語、簡単な英語と彼の出身の東北地方の言葉を話す。

中国の TV は色々な地方言語で話されているので(40種類くらいあるらしい)、漢字のスーパーが同時に流されていることが多い。

つまり、同じ漢字なのに発音がまるで違うのだ。中国人同士でも会話が成立しないという。

国土が広いのでパスポートのいらない外国と同じ感覚だそうだ。

日本では犯罪者はかなりの確率で検挙される。中国では近隣の省に逃げてしまうと、言葉が通じないので捕まえることは不可能だという。

数年後、香港を訪ねた時 P. が言った。「この間、中国へ同行した W. が会社の金を持ち逃げしたよ。」「追跡したの?」「自分の出身地の方へ逃げたから、捕まえることは不可能だよ。」と諦めてしまっている。

中国では騙される方が悪いという不文律があるそうだ。


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