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易姓革命

山積みの本が崩れて目の前に転がってきた『貞観政要』、悪い癖で片付ける前に読み始めてしまった。

なかなか癖があるけど、面白い内容が書かれている。

今まで頭の中で、整理がつかずにモヤモヤしていたものがスッキリした。

王朝が滅びるのは「天(神様)が怒ったから」
世界のどこの国であっても、王朝が新しく変わる時には「なぜ変わる必要があるのか」「なぜこの人物が国を統治するのか」という正当性が必要になります。
中国では、古くから、孟子の「易姓革命」の思想が王朝の交代の説明してきました。
◎易姓革命
徳を失った王朝が天(神様)から見放されて(天命が革まる)、王朝の姓が易わる(変わる)という理論。点を介在させていながら、「悪い政府に対しては、人民が蜂起して政府を倒していい」とする人民主権の考え方にもつながっている。

座右の書『貞観政要』 出口治明

この易姓革命とよく似た思考傾向を持った民族がいることに気がついた。
『十字軍』『ユグノー戦争』『ソドムとゴモラ』などと、歴史や宗教書に書かれているように、他民族や自分の心情にそぐわない者を大量に殲滅させることが許されている一神教を信じている者たち。

中国の易姓革命も、ヨーロッパの一神教もどちらも同じ発想なのだと納得した。
『自分は悪くない悪いのは相手だ』と最初から決めておき、相手を殲滅した後に「彼は神に従わなかった。」と自己正当化するための論拠なのだ。

こんな発想をする民族の移動線を確認してみると一目瞭然だった。

気候変動による人口の移動 『貞観政要』

気候変動により南下した遊牧民が、農耕民を追いやり、天山山脈につき当たり東西に分かれて行った。

この遊牧民の末裔が、現在も自分達の宗教、心情に従わないものたちを圧迫、搾取することを繰り返し、戦争の火種をあちこちに点火し続けている。

日本人は、特殊な神を作り出さず、自然そのものを神(偉大な力)と捉え、自分もいつかそこに帰ると自覚している。(最近は暗示や思い込みで変な思想に汚されている人を見かけるが)

少なくとも、よくない事態が生じた時も、他人のせいにせず、自分の姿勢を正し、自分の行いを反省する人が日本人には多い。
日本各地に数十万存在する神社は、日本人が自己反省をするための補助機関なのだ。

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