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釣り

釣りは側から見ると随分ユッタリとした暇な遊びに見えるだろうが、そうでもない。実は体力知力をフルに使う大人の遊びだ。

私は船釣りが好きだが、体力を使う。波があるときなど前後左右に船が動く。海に落ちないように足を踏ん張っているが、返す波で背中が船体にぶち当たる。強く当たらないようにバランスを取るのが大変だ。これが1日続くのでクタクタになる。晴れの時は波が穏やかなことが多いが、日射しが強い。体力がみるみる奪われる。

釣りをしている人は、竿を構えて、ボーとしているように見える。しかし、ボーとしているのではない。常に頭の中はフル回転しているのだ。

魚は逃げようとする餌に飛びつく習性がある。だから魚のいそうな所に投げて針につけた餌が逃げているように操作する。

同じ船に乗っても魚を釣る人と全く釣れない人がいる。魚をたくさん釣る人は頭を使っている。餌を針につけるときも自然に見えるように工夫している。針先はいつも鋭敏になっているように、常に新しい針と交換している。ハリスはヨレが出たらすぐ新しいものと交換する。

何よりも大事なのは棚だ。魚は種類によって好みの水温が違う。水温は深さによって変わるので適温の棚を探すのだ。このように非常に多くの条件をクリアした人が魚を釣り上げることができる。

日本海に面白い釣り方がある。『フカセ釣り』という。

日本海のフカセは面白い釣りだ。釣り針に餌をさしオモリをつけずにそのまま流す。ふわふわ漂っているが80mくらい糸を出すと水の抵抗で適当な深度になる。餌が自然の動きに見えるらしくて棚が合えば釣れる。時には200m糸を出すこともある。この時期のタイは桜鯛といって産卵前で脂が乗っている。

4月に友人と釣りの約束ができた。この時期だから『フカセ釣り』だ楽しみで、指折り数えている。

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