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オーロラを抜けるときに雅楽が聞こえた

『NHK俳句』を見ている時にゲストとして、毛利宇宙飛行士が出演していた。宇宙飛行士と俳句とは全く面白い取り合わせで、会話を楽しく聞いていた。

毛利さんの話で、宇宙へ飛び出しているロケットの中でオーロラを見たことがあるそうだ。その時の上空から見たオーロラの写真を背景に映し出していた。

上空から見たオーロラは白色系の光の帯がゆらゆらと揺れているだけで、地上から見たオーロラのようにいろいろな色彩が見えない。

以前ニューヨークに向かって飛行中、機内アナウンスで起こされたことがある。「ここは北極海の上空ですが、窓から下をご覧ください。オーロラが見えます。」とのことだった。

私は生まれて初めて、オーロラを直接見ることができて感動していた。わざわざ皆が寝ている時間帯に CA が起こしてくれるなんて、珍しい光景だったのだと思う。

その時のオーロラが、毛利宇宙飛行士が説明していた、画面に出ている色彩の乏しいオーロラと同様のものに見えた。上空からみると、光の屈折がないのでオーロラは虹色にならずに単光色なのだと理解している。

毛利宇宙飛行士がさらに面白いことを言い出した。「オーロラを抜けるときに雅楽が聞こえた」と言ったのだ。

宇宙では媒体(空気)が無いので音は伝わらない。その宇宙空間で雅楽が聞こえたというのは、きっと頭の中に雅楽が湧き出したのだと思う。とても楽しい話だった。



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