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「スポーツファンを増やすのはスポーツファン自身」であるということ

今年もほとんどnoteを書かずに終わりそうなので、最後に1本だけでも…

先日、noteにあるイベントスペース「note place」で、セリエAの解説でお馴染みの細江克弥さんのメンバーシップ「HOSO F.C.」のオフラインMTG(忘年会)が開催されました。

ありがたいことにその会で細江さんとお話する時間を頂くことができ、自分なりの「これからスポーツファンを増やすには」論を改めて考えることができました。せっかくなので、自分の考えをちゃんとした形で残しておこうと思います。

結論から言うと「スポーツファンを増やすことができるのは、スポーツファン自身」であると考えています。

非スポーツファンの新規接触が難しい現状

前提として、今の日本のスポーツ視聴環境は新規ファンとの接触がかなり難しい現状にあります。それはこの10年で視聴環境が大幅に変わり、各競技・リーグは基本的にインターネットで有料配信されるようになったから。(DAZNやSPOTV、U-NEXTなど)

以前は当たり前のように地上波でプロ野球やJリーグが放送されていましたが、今では国際大会と高校・大学スポーツぐらいに。これは放映権を活用したビジネスが主流になったからなので決して悪いことではないです。しかし、その弊害として、そのリーグを放映しなくなったテレビ局はスポーツニュース等でその競技を大きく扱うことをしなくなりました。(同時にすぽると!などのスポーツニュース番組や、やべっちFCのような競技特化の番組も現状・縮小しています)

唯一、W杯やWBCなどの国際大会は非スポーツファンが競技に触れる機会になっていて、実際に2023年夏に行われたバスケW杯は今季のBリーグの観客動員増加に繋がっている例もあります。

こういう状況があり、非スポーツファンのスポーツへの入り口は年々狭くなっている印象です。

「スポーツファンを増やすことができるのは、スポーツファン自身」

もちろんこの状況にリーグ・チームは黙って見ているだけではなく、自分たちの持つメディア(XやYouTube、時にはnoteなど)を活用して情報を常に発信し続けています。しかし、どうしてもこれらのSNSはレコメンドにより最適化が図られているため、その競技に触れてこなかった人に対してアプローチすることは難しいです。

となると、スポーツファンを増やせる一番のポジションにいるのはスポーツファン自身ではないかと自分は考えています。すでに多くのファンを抱えているリーグ・チームは、ファンの発信を促す環境を作り、彼らきっかけでより多くのファンを作ることが考えていくべきです。

よくプロスポーツチームにnoteアカウントを作りませんか?という話をする時にも同じ話をしています。ほとんどの人たちは「更新するリソースが…」と心配をするのですが、実はどれだけ頑張って月に2本の記事を出しても年間で出せるのは24本だけなのです。その24本も貴重な情報ではあるものの、ファン10人に毎月2本記事を書いてもらう仕組みを作れば、自分たちのチームのコンテンツが世の中に240本出ることになる。情報発信にファンを巻き込まない手はありません。

隣の人をファンにするために必要な知識を身につける

ファンとしても、自分が好きな競技・リーグの火を絶やさないためにも「布教活動」をする意味はあります。かなりビジネスの方面に寄っている日本のスポーツの視聴環境において、特に海外リーグなどは日本から視聴できなくなる可能性はいつだって存在しています。

視聴数などの数字がシビアで出てしまう世の中では、予期せぬタイミングで放映がなくなるなんてことは、覚えがある人もいるのではないでしょうか。そういえば先日はサッカー日本代表のアウェーゲームが放映されないなんてこともありました。

これからのスポーツファンには、その競技を楽しむことと同時に魅力を伝えられることも必要になってくると思います。そうしないと、回り回って自分たちに損害が出るから。

別にインターネット上での発信に強くなる必要はありません。飲みの場で自分の隣にいる友人に「この競技のはここが面白くて…」や「明日の試合、もし見るならここに注目するといいよ」みたいな話ができると自然とファンは増えていきます。隣にいる人を少しでもライトなファンにすることができたら、そこからはリーグやチームの頑張りどころです。

言葉で伝えるのが難しければ、実際に現地に連れて来てしまうのもいいですね。やはりスポーツの醍醐味は現地の迫力や熱狂にあります。そういう時、チームは新しいお客さんを誘いやすいような仕組み、例えば年に数回使える友達割とか、があればいいなと思ったりもします。

実は、自分が企画している「noteサッカー勉強会」などのイベントは、そういったことを念頭に置いて構成を作るようにしています。もちろん、みて欲しいターゲットはサッカーファンですが、彼らに持ち帰って欲しいのは友人に海外サッカーを説明することができる知識です。

もう1つ、面白い事例を紹介します。note上では「MLB30球団ファン合同note」という企画をやってくれているクリエイターたちがいます。

これは有志のMLBファンたちが集って、各チームに数名の担当がつき、シーズンを通して自チームについて記事を投稿していくという企画。50名を超える参加者がいて、3シーズンが終わり記事数は2,000本を超えています。日本の中で、ここほど濃いMLBの情報が集まる場所は他にないと断言できます。

この2,000本の記事はMLBのファン拡大に間違いなく貢献しているはずだし、恐らく参加している人たちもこの企画を通してMLBファンコミュニティの輪が広がっているのではないかと思います。Twitterでも、YouTubeでも、noteでも自分の好きなことを発信するって大事です。メリットしかない。

こういった動きが他のリーグなどでも生まれるといいなと思いますし、そのための協力はいくらでもします。なので、もし少しでも興味がある人がいればぜひ連絡をください。仲間探しをするところから一緒にやりましょう。

スポーツに触れる人を少しでも増やしたい

今回は野球やサッカーを題材にしてしまいましたが、この考え方はどの競技にでも当てはまると思っています。

2024年も自分はこの考え方を軸に、様々な人を巻き込みながら、ファンが自分の好きなスポーツについて発信できる環境、発信することでいいことが起こる環境を作っていきたいと思っています。

なんだか最後は来年への抱負みたいな感じになりましたが、来年も皆さんにとっていいスポーツライフであることを願って。