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Discordで詐欺アカウントと戦い、勝利した話(29/Apr/2024)

 何ともまぁ面白いゴールデンウィークの始まりですこと

 この記事を読んでいるみなさまはDiscordと呼ばれるSNSはご存じかと思います。

 テキストベースで通話機能やグループでの利用に対しての適性が高いことも特徴としてありますが何よりも大きな特徴として挙げられるのはゲーマーを主な利用層として想定していることでしょう。
 そして、ゲーマーを意識した機能の一環としてSteamなどのゲーム販売プラットフォームとのアカウントの連携が挙げられます。Discordユーザーは自分で双方のアカウントを紐づけることで知り合いがプレイしているゲームを把握したりDiscord経由で知り合いにゲームを送りつけたりすることが出来ます。

 一見すると便利な機能でありますが、この機能は時に詐欺の為に使われてしまうことがあります。
 「このSteamアカウントはあなたのものかい?不正利用されてるよ」などと親切心を装って声をかけ、アカウント情報を抜き取ったり金銭を要求する輩がいます。

 詐欺と言うものは何か特別なことをしなくても向こうからやってくるものだと思っています。そのような事態になった時の為に知識を蓄え、遭遇したとしても冷静に対処することが重要なのではないかと自分は考えています。

 かく言う自分もそのような詐欺に巻き込まれかけてしまいました。
 今日はその時のやり取りをスクショ付きで見ていただきたいと思います。

①未知との遭遇

 28日22時ごろ、唐突に知らないユーザーからフレンド登録とDMが飛んできました。

Discordのダイレクトメッセージのスクリーンショット。Olivia sherylを名乗るユーザーがWumpusのスタンプを使用している。
Wumpusに罪は無い

 私は最初これを見た時、無視しました。
 理由としては、「この人と初対面であったこと」「この人と共通で入っているサーバーがスパムや詐欺DMなどの悪質ユーザーに対して比較的脆弱であったこと」「これまでの経験」の3つが挙げられます。

 1つ目の理由に関しては特に言うことはありません。初対面でも話したいと思ったなら是非ともスタンプだけでなく何かしら言葉で説明が欲しい。
 2つ目について、Discordはユーザーの詳細について確認するとき、その人と共通で参加しているサーバーが確認できます。そのサーバーが最近あまり発言していない上に以前にもスパムから大規模なアタックを受けていたサーバーであったためこのアカウントもその類の可能性が高そうだと感じました。
 3つ目についても特に言うことはありません。この辺りを嗅ぎ分ける能力はネットしてたらいつの間にか身につきます。多分。

②接敵

 先述の通り無視を決め込んでいたら約2時間後にまた連絡が来ました。
 この辺りで少し面白そうだと思って実際に話を聞いてみることにしました。

この手のフランクな英語は覚えが無いのでこれからも見苦しくなります

 詐欺「?????」
 ワイ「なんじゃい」

 そして私が反応したら待ってましたと言わんばかりにスパム君が話しかけてきました。

フレンドには許可を得てないのでアイコンを加工

詐欺「時間取らせてごめんね。もしこのSteamアカウントが君のなら聞きたいことがあるんだけど?」

 この時点で私は何らかの詐欺DMであると確信しました。その時点で自分の情報は一切明かさないし金はびた一文払わねぇぞ!と覚悟を決めます。

 ワイ「せやね。それは自分のSteamアカウントだわ」
 詐欺「マジで?わし今マジで困ってるんよ。ワシのアカウントからアイテム盗んでいったヤツのユーザー名とアイコンがあんちゃんだったんですわ」

 はい、冷静に考えてそんなわけがありません。
 まず、ここで彼が添付した画像をちゃんと見ていただきます。

 これはSteam上のコミュニティ・マーケットでゲーム内アイテムのRMT(リアル・マネー・トレード)を行った履歴を表示する画面です。確かに上2つについて、私が購入したことになっています。
 しかし、仮に私がこれらのアイテムを購入した(あるいは悪意ある第三者によって購入させられた)場合、私に対して何らかの連絡があるはずです。

 さらに、私はここで表示されているゲーム(Counter-Strike 2)に関してはゲームの購入もプレイもしていません。
 つまり、これは全く架空の画像であり、このアカウントは私に対して何かしらの悪意を持って接していることが確定します。

 この時点で私の目的は完全に彼に対する嫌がらせに移行することになります。

③悪ノリの応酬

 ここまでのやり取りが行われていたのは日本時間で深夜1時ごろ、私は深夜テンションに陥っていたためここで少し相手に対して遊びを仕掛けることにしました。

 ワイ「そうね!それ買ったわありがとうな!」

 もし相手がやり手のプロ詐欺erであった場合、このような発言が返ってきてしまった場合のスキーマに関しても整備されているのではないかと思っていましたが……

 詐欺「このアイテム買ったの? それならお前さんのことを通報する明確な証拠ができましたわ。2、3日のうちにあんたのアカウントはバンされますわ。ほな……」(意訳強め)

 意味が分かりません。一体彼のどこに自分を通報することができる義理があるのでしょうか。
 そもそも彼が先刻提示してきた画像は取引の証拠にはなってもアイテムを奪った理由にはならないはずです。さらに取引として成立している時点でアイテム2点、合わせて1300ドル弱を彼は受け取っているハズなのです。(何度も繰り返しますがこのような取引は実際には起こっていません)

 あまりに唐突な話だったので焦った感を出すために(実際に急展開過ぎて少し焦ってる)日本語で返してみました。

 そうしたらこのような返答が……

 詐欺「何でって何じゃい? チ〇コ頭のお前がわしのアカウント(acc)に侵入してわしのモノ盗んだのと違うんけ!? これに懲りたら2度とこんなことはしないこったな。でも今回はお前さんが自分の過ちに気が付けるように報告させていただくわ。 ほな……」(例によって意訳感強)

 どうやら彼の中では私が購入した(ことになっている)アイテムはハッキングの結果盗まれたものである、という論理になっているようです。もちろんそんなわけないです。というか何度も書きますがここまでのこと全部無実です。

 私もいい加減眠くなってきたのでここらへんで「話の通じない奴」になることにしました。

 わし「ACC(アカウントの略)って何じゃい!? そりゃASS(尻のスラング)だろ? 俺のチ〇コ頭でお前のASSに『侵入』してやろうか!?ハハハハハ」

 我ながらひどすぎる返しです。自分の無知を棚に上げてそのうえで自分の発言を引用して下ネタで返すなど、自分がやられたらその場で相手を殴り飛ばします。

 この時点で彼は話が通じないと思って切り上げればよかったのですが……


④深夜テンションの成れの果て、そして勝利

 詐欺「わしの尻の穴見たいのか? オーケー、じゃあ2人でXXXしたら通報は取り消してやるよ。わしも溜まってるんだ。 (女性の裸の上半身の写真) どう? シないなら通報するけど」

 完全に向こうも乗ってきました。どうするんだよこれ……
 流石に相手方が裸の写真を送ってきた時にはビビりました。ただ、いかにも「今、ネットから拾ってきました」風のガビガビの画像だったため、本人のものではないと思います。検索はしていませんがそう信じています。

 そしてその次に送ってきた画像がこれです。
 私があんまりにも話が通じなさそうだから気を遣ってくれたのかもしれませんがあまりにも雑な機械翻訳で笑ってしまいました。もうちょいマシなキャプションツールを使って欲しい。今どきWindowsの純正ツールでももっとマシに撮れますよ……

 そしてそれに対しての返答に悩んでいるとこのようなメッセージが。

詐欺「なんて強い精神をしてるんだお前は。わしが通報するしかないとか言っても全く気にしないなんて……
じゃあな」

 ここでこの詐欺野郎は自分をブロックしたのかこれ以上のメッセージの送信はできなくなりました。
 かくして、私は詐欺アカウントに対して完全に勝利したのです。めでたしめでたし

 ちなみにこの時裏でドキドキ文芸部を同時進行で進めていたためパブロフの犬的に今後Discordで詐欺やスパムを見たらドキ文をプレイしていた時の感情を思い出すしドキ文の話を見るたびにこのスパムのことを思い出すことになっています。しんどい

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