【週間レビューNo323】オプションバリュー
【週間レビュー No.323】
今週の週間レビューです。先ずは昨日のリアルイベントご参加ありがとうございました。来月も続きを行いたいと思います。
さて、今週は久しぶりにオプションバリューをやりました。
以前はここまで理解する必要も無かったと思いますが、最近では、テクノロジーの発展や、理系的考え方が重要になっており、計算は出来なくても、オプション評価の理論だけは付いて行ける様になった方が、後々ラクだと思います。
オプションバリューそのものの考え方
オプションの対象となる、ある資産の現在の価格が100円であるとします。単純化のために、リスク・フリー金利はゼロ%で、この資産には配当や利払いが発生しないと想定します。
オプションの価値を計算するためには、この資産の価格が将来どのように変化するかということを想定することが必要です。ここではリスク中立な効率的市場を仮定します。
効率的市場においては、いま現在の市場価格は一掃の均衡水準にあるため、その後は、予想できない新しい情報に基づいてランダムに変動することになります。いわゆるランダム・ウォークの状態ですね。
現時点(T0)で100円の資産は、次の時点(T1)で上昇しているか下落しているか、T0時点では特定することができません。ただし、変動はあくまでもランダムなものであるため、その期待値は100円のままです。
もしT1における期待値が101円であれば、いま(T0)のうちにその資産を買っておけば超過リターンを期待できるので、合理的な投資家が殺到し、T0における価格そのものが101円にまで上昇してしまうためです。
こうしたランダムな変動は、それが積み重なると次第にその変動幅(もしくは変動率)の分布が正規分布に近づいてくることが理論的に確かめられています。
つまり、この正規分布の分布幅(分散もしくは標準偏差)が特定されれば、この資産価格の将来の変動幅(率)を、期待値ゼロで一定の標準偏差をもった正規分布で表わすことができることになるわけですね。
このランダム運動による分布の分散は運動期間(t)に比例するのである値Vを想定すると、
分散=V × t
と表わすことができます。標準偏差は分散の平方根なので、
標準偏差=√ V×√ t
となります。
ここで√Vを、σ(シグマ)で置き換えると、
分散= σ2xt 標準偏差=σ x √t
となり、このσのことをボラティリティと呼びます。
tは年で表わすのが慣例であり、ボラティリティも年率で表わします。
ここでは配当・利払い、金利がすべてゼロであることを仮定しているために、資産価格の将来期待値が現在の価格と同じになります。配当・利払い、金利がゼロでなければ同じにはなりませんが、この点については後述します。
それでは、来週もよろしくお願い申し上げます。
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