なぜValuationはIPOは予想PERで、M&Aは予想EBITDAマルチプルなのか?
これ、何故だか、考えたことがあるでしょうか?
これはファイナンスロジックです。
PERとはPrice Earnings Ratioの略称で株価と企業の収益力を比較することによって株式の投資価値を判断する際に利用される指標です。
株価 = EPS(1株当たり当期純利益)× PER (株価収益率)
EPSは配当原資ですよね。配当原資が大事なのは、まぎれもなく株主です。
IPOする株を買うのは、オーナー、経営陣ではない純投資目的のマイノリティ株主です。
その株主にとって株を保有する目的はキャピタルゲインと同様に安定配当を目的としている場合が多いです。ですからその株主たちにとって大事なのは、当期純利益、EPSということになります。
一方で、M&AはなぜEBITDAマルチプル、すなわち、EV/EBITDA倍率なのか?
EBITDAは営業利益+償却(のれん含む)ですよね。
これって、言い換えれば概ね営業キャッシュフローに近いです。
いわゆる営業で稼ぐ力ですね。
この数字が重要な人って誰なのでしょうか?
そう、経営陣ですよね。買収する発行体の株主資本と負債の合計がEBITDAの何倍かということ、つまり何年でこの投資が回収できるのか、まさに経営判断です。経営陣はEPSも大事ですが、先ずはM&Aであれば、EBITDAを見に行くことになります。
ですから、Valuationは、誰がその指標を重要視するのかということを、照らし合わせて評価することが大事です。
そしてそれをバックチェックで支えているのが、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)ということになります。
このDCFはとても深く、なかなかしっかりDCFを回せる人は少ないように思います。この話は改めて深く掘り下げたいと思います。
【お知らせ】
弊社代表の田中がコメンテーターとして参加させていただきます。ぜひご参加ください。
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