ぐだぐだ迷路と秋のそうめん
上京してから14年くらい働いていたお店が、夏の終わりごろに閉店した。
退職したらやりたいことをして、行きたいところに行って(いける範囲で)しばらくのんびりしようと思っていたので諸々の手続きはきちんとすませながら、いまは気兼ねなく毎日をゆっくり過ごしているところ。
今までこんなに仕事をしていない期間ってなかったから、これだけ自由をかみしめられることって生きてるうちにあるんだな、とびっくりしている。
でも自由ってときどき、自分にはなんにもないような気持ちにもなる。自分と向き合う時間がありすぎて。いや自分で選んでやってることなんだけど。
2020年は家にいる時間が長いから、みんなきっと自分と向き合う時間が多いだろうとはいえ、今の自分には職場がないのだから現状仕事のことを考える時間もない。
気を抜くと自分のこれからを案じては自分はちっぽけだなぁとか、ほんとなんにもできない人間だよ、とかくだらないことがぐだぐだと頭をめぐり、思春期の再来みたいになったりする。もうすごい大人なのに。
今日はすこしそんなぐだぐだした気持ちで、曇り空のなか自転車にのってハローワークに向かっていて。
ときどき寄り道するケーキ屋さんで帰りにご褒美買って帰ろう、なんて思いつつ、ぐんぐんこぎながら今の気持ちの言葉をさがしていたら
あれ、わたしずっと好きなお店で、好きな商品を楽しみながら販売のお仕事してたよ。ディスプレイ考えるのだって楽しんでやってたし、これから自分で作るものも愛情をもって届けたいしその準備も進めてるし、これからまた勉強始めるし、ちゃんと前に進んでるんじゃない?
といとも簡単にぐだぐだ迷路から脱出。自転車をこいで体を動かしたのもよかったのかもしれない。心がぐだぐだしてきたら体を動かすのが私には合っているらしい。あとはいい音楽を聴いて、友達とおいしいものを食べて自分へのご褒美。
放っておくと毎日ぼんやり通り過ぎてしまうものってたくさんあって、もやもやしてしまうこともたくさんあって。迷路から抜け出してもすぐ忘れて迷い込んでしまう。
だから言葉にしておきたいなと思って
ただ忘れないように記録していたかった気持ち。
夏の残りのそうめんをゆがいて食べながら秋を感じた日。
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