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【詩】夏の日にいた

夾竹桃の陰
疲弊した四十雀は呆然と
細胞が落ち着くのを待っていた

四角く切り立ったビル
潜む影も無いぼくは
暑熱馴化を待っていた

二人の時空間の結実
爪も牙も鈍いままで
みんな死を待っていた

夏になると
夕日が沈まぬように
祈っていた

素晴らしいことです素晴らしいことです