見出し画像

【詩】青溜まり

あの青い色がだんだん溶けて 落ちて
町の真ん中に青溜まりができました
熱くもなく冷たくもなく
ただ馬鹿みたいに巨大でまるで底が見えません
とてつもなく深い
それだけはわかります
果てしないのです
ある日男の子が青溜まりに顔を突っ込み
中に何があるのか覗いて見ました
近くでそれを見ていた女の子は
男の子が顔を上げないので心配になり
おういと声を掛けました
すると空の上から
こっちにおいでと声がしました
女の子は驚き空を見上げました
空はいつものように真っ黒なまま
静かに何処かを見つめています
女の子は勇気を出して
男の子の肩を掴んで引き上げました
男の子の体は羽根のように軽く持ち上がり
シャボン玉のように弾けて消えました
そうして青溜まりはまた少し
大きく深くなりました

素晴らしいことです素晴らしいことです