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「最低賃金を 全国一律に!」国会議員要請行動に参加してきました。

ここ数年 ながく続いたコロナ禍では、
「みんなで話し合う・団結して行動する」が基本の労働組合の活動が
制限され、なかなかリアルに顔を合わせ集まることができませんでした。
でも 去年あたりから 少しづつリモートから
現地で活動できるようになり、
以前の状態に戻りつつあります。
今回は「全国一律最低賃金制度の法改正の実現」を求める 2023年春闘3.2中央行動に参加した中から 行動の柱のひとつ
国会議員要請行動について書いていきます。
ぜひ 読んでみてくださいね!

◆議員要請行動ってなに?

私たちは、毎年 何度も「全国一律最賃制を求める請願署名」を
職場を中心に呼びかけます。
そして、集まった署名を 国会に届ける紹介議員になっていただけるよう 
中央行動では 議員会館に出向き 数名のグループで
国会議員の部屋をお願いにまわります。

用意された書類を渡しながら それぞれの思いを伝える
毎回 お決まりの議員要請行動ですが
時給で働く現場の声や、最賃近傍での給料で暮らす生活実感を 非正規パートである私自身が 語らなければ との思いで参加しています。

今回 私たちが 訪問したのは、参議院議員の皆さんの部屋。
ところで、一般市民の 多くの方は 
議院会館の中に入る機会は あまりないでしょう。
でも 国会議員への要請は 国民が『請願権』を有するものとして憲法で保障されています。
国会に提出する請願には 国会議員の紹介が必要ですが、陳情なら大丈夫。
国会議員は 国民の陳情を聞く義務があるのですから 
何か 困りごとや お願いする機会がありましたら、
ぜひ議員会館をおとずれ 地元の選挙区や比例代表として
選出された国会議員に陳情しに行かれてみてはどうでしょう。
では、その時のために 参議院会館の中が どうなっているか どのような手続きで 国会議員室まで行けるのか解説しましょう!

◆参議院会館の中は どうなってるの?

まず、入り口から入ると 広いロビーがあり 守衛さんから セキュリティチェックを受けるよう促されます。
写真があるとわかりやすいのですが、
館内は 撮影禁止になっているのでお見せできません。
セキュリティチェックは 右側の列に並ぶと、空港と同じように
かばんや、ペットボトルなどを トレイに乗せ 自身のからだに金属を身につけてなければ、金属探知機をくぐり 手荷物を受け取ります。

その先に受付があり、そこで面会申込書を提出します。
面会申込書には 訪問先の議員名、部屋番号、訪問側の代表者名、訪問人数等を記入します。
以前 私はこの面会申込書を手持ちのボールペンで書いたのですが、
受付の方が消しゴムでこすったら 字がうすくなったのか
まったく消えたわけではないけど 全部書き直しさせられたので
ジェルボールペンや 水性のものは避けた方がよいです。

記入した面会申込書を受け取った 受付窓口の方は 訪問先の議員の部屋に電話し、留守であるか確認。
もしくは これから こういう方が伺うと連絡をします。今回は おひとりの方が、面会を断り 書類の受け取りも拒否されました。

話が通ると 入館証が手渡されます。
配布された入館証を首にかけ、駅の自動改札機のようなところに ピッとして
ようやく中に入れます。
帰りには 同じように また入館証を機械にかざし、外に出て
回収ボックスに入館証を返します。
ここには 案内の方が いらっしゃるので
迷うことはありません。

そのまま進むと、つきあたりが集会室。
右に曲がると 各議員さんの部屋に行くエレベーターが並んでいます。左側には地下へ行くエスカレーターがあり
地下には カフェやコンビニがあります。
コンビニ奥のギフトショップでは いろいろ
国会グッズや歴代首相の似顔絵入り 饅頭や お土産が買えますよ。
以前、絶大な人気者だった小泉 進次郎氏にちなみ、
 抹茶味の「進次ろうる 抹茶小豆ロールケーキ」やクッキーを
買ったこともありましたが、さすがに もう無かったですね!
けっこう美味しかったんですけど。

首相の似顔絵イラスト
お土産コーナー

◆ある議員秘書さんの反応

さて、この日 私が組んだのは ベテランの労組専従さん。資料の説明や訪問趣旨などは すべて彼女が話してくれるので、私は 「今日は 働く現場から参加してくれているので、ぜひ話を聞いてください。」と振られてから話せばよい段取りになっていました。
私たちが受け持ったのは 自民、民主、公明、立憲の5人。
要請書類一式を入れた封筒を持ち 
議員さんの部屋へ 
いざ、出陣!

まず、最初に伺ったのは 自民党議員の部屋。ドアには インターホンと 郵便受けが。だいたいドアは 開けられているので、ピンポンを押しつつ 中に向かって「こんにちはぁ!」と声を掛けます。

すると 出てこられるのは 秘書さんで
たいてい先生は 留守です。
議員さん本人と直接 お話できたのは、もう何度となく参加し続けている私でも 数えるほどしかありません。
毎回、秘書さんに 先生に伝えてほしい旨をお話しします。

私は これまで「自分は都内のスーパーに勤めているが、住まいは埼玉。同じAランクとは言え、最賃には違いがあること。スーパーで売るものは 北海道から 鹿児島まで すべて値段は一緒。仕事内容も同じであるのに、最賃に違いがあることで 給料に差があること。全国一律最賃制にして 地域間格差をなくし どこで働いても同じにしてほしい。」ことをおもに訴えてきました。

でも、今回は 息子の話をしたんです。
息子は 以前 ある企業の正社員として働いていました。
けれど そこが廃業してしまい、再就職。
やっと決まったところは、非正規雇用のパートでした。今、 本人は 自立してひとり暮らしをしたい。でも、今の収入では 親と同居せざるを得ない
独立して ひとり暮らしなど到底できないのです。

それを聞いていた秘書さんからは、
「そんな最賃しか払えない会社は
サッサと辞めて 転職しなさい。
能力のある人は どんどん転職したら
いいんだよ!」そんな言葉が返ってきました。

◆最賃で暮らす若者たちの現実

うちの子に限った話ではないのです。
今、非正規で働くひとは 全労働者の49.8%  企業が安い労働力として 非正規雇用を多く雇ってきた結果 低すぎる最低賃金近傍で働く若者が増え 働いていても生活に困窮するワーキングプアが大量に産み出されているのです。

最低賃金近傍で ひとり暮らしをしようと思ったら、健康で文化的な生活は
諦めないとやっていけません。
なにしろお金がないのですから、
病気になっても病院に行くのをためらい
人とのつきあいも、どこかへ出掛けることもせず、
動かないのが 一番。休日は 寝て過ごす。
最低賃金が低水準であるために
多くの非正規雇用の若者のライフスタイルが シュリンクしている。
目の前の自分の生活だけで精一杯。
将来のことなど考えられず
ましてや 恋愛して結婚なんて
非現実的で あり得ない。
そのような生活が嫌なら
親と同居するしかないけど、
それでは いつまでたっても
結局、自分が 結婚して子どもを持ち
家族形成する将来像など描けないのが現実。

政治家の先生方には、
今の子育て世帯に対する手厚い支援も必要ですが、
ぜひとも これから世帯を築く若者に対する
支援を考えてほしいものです。

◆最賃上げて、少子化に歯止めを!

日本の少子化問題の解決策について、これまで 国会では
さまざまな提案がされてきました。
最近では「異次元の少子化対策」と銘打ってやってる感を
ことさらアピールしていますが、
どれも小手先だけの 安直なものばかり。これでは 何も解決できる
はずがありません。

静岡県立短期大学の中澤秀一准教授と 全労連が 全国各地で実施されてこられたマーケットバスケット方式による最低生計費試算調査によると、
25歳の若者が 健康で文化的なふつうの生活をするためには
全国どこに住んでいても 月24万円~26万円が必要で、
時給換算すると 1,500円以上になる。
いっぽう、30代カップル+子ども2人の子育て世帯にかかる費用は
どこに住んでいても年間550万円~600万円になるという。
仮に 最低賃金を1,500円にすると、
1,500円×1800時間=270万円
夫婦ふたりで 働けば
270万円×2人=540万円。

最低賃金を 全国一律1,500円に引き上げれば 親元を離れ自立し、人とつきあい 趣味や おしゃれを楽しみ、その中で 恋愛し 将来を考え 結婚も視野に入れるようになる。子どもを育てていけるだけの生計費に近づくことができるということです。

若者が 将来の家族形成が 現実的と思えるようになるまで、若者たちの賃金水準を引き上げることが、少子化問題の一番の解決策。
最低賃金を全国一律1,500円に引き上げることは
若者の家族形成にもつながって ひいては 人口が増加。
この日本を 人で支え合う、強い国へと変えていけるのです。

◆まとめ

5、6年前に参加した議員要請では、秘書さんが
自分のところの地域の最低賃金を知らなかったり、
関心ないそぶりを露骨に態度に出し、
適当に受け流されたり。
一部のひとではありますが、反応はさまざまでした。
ところが 最賃の低い地域から高い地域へと人が移っていく人口流出は 
地域に働き手がいなくなり、税収も減少。地域経済がたち行かなくなる。
危機感を抱く 地方の政治家から
地域間格差を広げているランク付け最賃制度の見直しを求める声が出て、
2019年 自民党の中に「最低賃金一元化推進議員連盟」が発足したのです。

このあたりから だいぶ最賃に対する政治家の意識も 世論も変わってきたように思います。でも まだまだ理解が足りません。
最低賃金を全国一律に 法改正することで、都会でも 田舎でも。
最低賃金を1,500円に 大幅に引き上げることで、

若者が 将来に希望を持って 
安心して家族形成を考えられるように。

これからも 労働組合の行動に参加し、
全国一律にすることの大切さを語り
署名を広げ 地域の議員を巻き込み
自分に出来ることをしていきたいと思います。

以上になります。
最後まで お付き合いくださり ありがとうございました!








 


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