場とデザイン - CXO Night #5 | イベントレポート
こんにちは。山田 仁太(@Leo___1213)です。PoliPoliというスタートアップでCDOをしています。
12/13に開催されたCXO Night「場とデザイン」に参加してきました。
1.チームBANK流のプロダクト開発
前半は世間をいつも驚かし続けているBANKさんのプロダクト開発についてです。
お話していただいたのはBANK執行役員の河原 香奈子さん(@kanakt)、プロダクトマネージャーの岡田 麻里さん(@mario_kada)、モデレーターはDesignshipのBoardもされているFOLIO CDOの広野 萌さん(@hajipon)でした。
Q1. BANKが新規サービスを作る時の流れ、CEOに期待されていること、光本さんとのコミュニケーションを伺いたい
BANKで新規サービスを作る時の流れ
CEO光本さんの仮説
==>デザイナーがモックという形でCEOとデザイナーでプロダクトイメージを作り上げる(やっぱり違うとなることも)
==>エンジニア・PMなどを加え、開発へ
いいところ:トップが持っている明確なビジョンを素早く実現出来るデザインドリブン
ex)CASHの場合
CEOが持つ仮説:世の中には潜在的な1~3万円の少額資金ニーズがあるのではないか。
CASHの場合は写真を撮ったらアプリの中にお金がすぐ振り込まれるアプリを作ってという要望を受けた。
ex)Travel Nowの場合
CEOが持つ仮説:世の中には旅行に行きたくても諦めている人が多いのではないか
最初にCEOからコアな部分だけを言われる。
機能や遷移や体験はデザイナー主導で考える。
一旦ユーザー体験重視(無駄がないもの)を一人で作って、エンジニア・CEOと擦り合わせして決めていった。
モック作成のフロー
ワイヤーモックをざっくり作成
==>世界観の方向性を検討(ビジュアルや切り口)
==>ワイヤーに世界観を適用・作り込み
を回し続ける。
最初はやるかどうかを検討するためのものなのでサクッと1日でコア体験の遷移を作る。
新規開発時に大切にしていること
CEOの頭の中にある仮説を全力で検証するためのプロダクト開発
ユーザーが触る部分は作り込むが、裏側はMVPだけで泥臭く進める。
このプロダクトの可能性があるのかというところに対して作り込む。
光本さんの仮説を最大化するために、先回りして自分たちで徹底的にありそうな問題は潰す。
Q2.BANKのデザイン文化
デザインチーム(4人)のミッション:事業の成功確率を最大化するために魅力的なプロダクトをつくる。
魅力的 == 新鮮な印象、体験への驚き、愛着
細かいところももちろん大事だが、一番大事なのは大枠でどういう表現をしてどういう光の当て方をするか。
Q3.デザイナーの強みを活かした振る舞いはどんなこと?
事業やプロダクトの向かう先を見える形で表現することがデザイナーの強み。
(marioさん==>kanaさんを見て) 事業もチームのこともすごい考えている。事業を見る上で数字も理解しようとする姿勢や中長期的視点で議論が出来る点がいい。
建設的議論をするための心がけ
やるやらないは置いておいて5~10分でモック作って、それを元に議論した方が建設的
Q4.事業的な制約があると思いますが、理想と現実のバランスの取り方などで何か意識していることはありますか?
意識すること
諦めない。
明確に作り上げたい世界観はあるのでそれに対して徹底的に調べ上げたり交渉を行う。
ユーザー体験として良くない必要のない制約は1つずつ潰していく。
他のサービスを見ているうちにあえて気にしすぎないというところを大事にしている。デザイナーとしては利用者目線で利便性を強く考えたい。
同じ業界や異なる業界でも得られるものがあるものは参考にする。(写真を使うTravel Nowでは食べ物のアプリを参考にしたりなど)
Q5.BANKのようなプロダクトを作りたいと考えています。どういう人をチームに入れたいか伺いたいです
表現力を一番重視、これがないといいものが作れないと思っているから。細かいスキルのディレクションが要らない強い人を中心に少数精鋭でプレイヤーとしてやっていきたい。
自分たちの会社だけでは足りないことが多い==>結束するためにビジネスとデザインとエンジニアリングのバランスをうまく取れる
2.場とデザイン
後半は建築×デザインについてです。
お話していただいたのはツクルバ 代表取締役 CCOの中村 真広さん(@maa20XX)、SUPPOSE DESIGN OFFICE Co.,Ltd. 代表取締役の谷尻 誠さん(@tanijirimakoto)、モデレーターは坪田 朋さん(@tsubotax)でした。
アイデアは誰でも持ってる==>形になって初めて答えがそこにある
ことがわかるので、WantをHave toにすることを徹底にしている。
起業家はWant、アート的なところから始まっていくと考えている。
反対されればされるほど世の中にまだ理解されてない価値だと確信して、何としても作り上げる。結果として周りに価値として認識される。
Q1.お二人の考える「場とデザイン」をそれぞれ伺いたいです
谷尻さん
自分の感覚で能動性をどれだけ喚起できるかを考えて、自分の行きたい場所を作り上げる。
「絶対って僕が言ったことを通させてくれないなら入らない」
〜したいという能動性をどう喚起するか。
中村さん
0→1は自分の中から作られるので、自分が欲しいものを作るようにしている。
0→1、1→10は主戦場だが10→∞は他の人に託したい。不確実性の要素が低くなると新しいことをやりたくなる。
Q2.建築家 × 起業家で建築設計にとどまらない事業を作るスタイルで仕事されてますが、そのスタイルを志したきっかけを教えてください
中村さん
1建築学生として宮下公園のプロジェクトでNIKEの人に憧れた。
谷尻さん
雑誌見れば見るほど違う方法論が必要だと感じ、自分なりのやり方を求めた。ダメな自分が活躍することで、周りが共感して勘違いすることでみんな頑張るというポジションを取りながら進めていった。
雑誌でないと認められない==>雑誌に載ってもらえるかわからない==>雑誌の編集部に突撃した。
熱量で人は動くんじゃないかと思っている。
Q3.建築家×起業家だからこそできたエピソードを伺いたいです
谷尻さん
自宅の事業化。お金がなかったので大きな自宅を得るためにテナントを入れて、自宅を利回りがいいものとして事業化した。
中村さん
スタートアップのオフィスの空間デザイン。アウェイに飛び込んで仕事をしているとプレイヤーが自分しかいないので、自分の存在意義が高まる。
Q4.事業を作る際にこだわる手法やリサーチ方法
中村さん
体験したことしか作れないと思っている。どんな営みが地域に生まれているのか体験する。広がりはないけど深く体験することで次に繋げていく。
谷尻さん
noteやInstagramで何書けばどれくらい保存してるかとかを試している。
3.個人的な感想
印象に残ったところ
BANKさん
・PMとしてのあり方
デザイン、エンジニアそれぞれに寄り添っていると感じてもらうように意識的に同じ目線に立つ。(週末にコード書いたりもする)==>全体の中心に。
こんなPM理想だなっていうPMを実践されていた、見習わねば...!!
・ユーザーインタビュー
自分たちの仮説を信じて、プロダクトでその実験を行う。
ユーザーが求めているものはユーザーが知っているわけではないし、そこから生まれるものは
仮説とその仮説を生む光本さんへの圧倒的な信頼感を持つことができるのは、光本さんが天才なのと全ては実験という指針に共鳴していて初めてなされることかなと感じます。
場とデザイン
・同じ方法なら勝てないから別のポジションを取りに行くという見切り力
・自分が作りたいものを作るという能動的な当事者として動くこと
・競争から共創へ
建築の話を中心としながら本質的にどこにでも活用できるマインドをたくさん学べた印象でした。
まとめ
自分たちの信じる世界を作るために自分たちを信じて熱量を持ってアウトプットを作ろう。
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