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【メセナプラン向け】ゲームゼミ過去記事アーカイブ

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2023年6月の記事一覧

2023年に考える『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の功績

2023年5月12日、ゲーム業界を揺るがす衝撃が走った。『ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム』(以下、ゼルダTotK)の発売である。まず本作は傑作である。具体的には2023年における最高傑作なのはほぼ確定として、恐らく2020年代において本作を超える傑作はもう出ないのではないかと早くも思わされるほどの傑作であった。 筆者も批評を書く人間として、さすがに『ゼルダTotK』について語らずにはいられなかった。しかし、本作を語る上で大きな問題が一つあった。それは前作『ゼルダの

ネットでポリコレ議論を読んでイラッとした時に思い出してほしいこと ──ゲームゼミ週報

昨今はインターネットで国境を超えて人々が直接的・間接的に議論しやすい環境が整っている。 その結果、ゲームコミュニティを見ても「ポリコレに屈したから今のゲームはうんぬんかんぬん」と欧米の「価値観」に関するツイートや動画が出ては、日本人が無駄にイライラしてそれを再生・拡散し、それによってゴシップ系YouTuberやインフルエンサーが大儲けする構図が繰り返されている。 毎日イライラするのが楽しいし、ゴシップ系インフルエンサーの懐を潤わせたいという人はともかく、普段「イライラした

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Xboxが”本気で”目指す「ゲームクリエイター・ファースト時代」の予感

6月12日、Microsoftは「Xbox Games Showcase 2023 + Starfield Direct」(以下Showcase)と題した発表を行った。その中で、Xboxを中心に今後展開される様々なタイトルがお披露目されたのだが、その内容がとにかくすばらしく、この手の発表では経験したことのない「心に響く」想いがあった。 それは、ただ話題作が多数発表されたからではない。サラ・ボンドやフィル・スペンサーといったXboxの代表者たちが、繰り返し「ゲーム制作者を第一

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消えゆく「公園」と「子ども向けゲーム」 ──ゲームゼミ週報

ロックマンエグゼの記事を執筆した。結論から言えば、この作品は何よりも当時ローティーンにこれほど寄り添った作品は既に珍しく、その点こそ評価すべきという論旨だった。実際、筆者自身も「エグゼ世代」であり、『エグゼ』というゲームもさながら、アニメ、マンガ、おもちゃといったメディアミックスを含め、子の世界観に没頭していたのだと思う。 ただ、この記事を書いていてハッとしたことは、まさに『エグゼ』のような「子ども向けゲーム」は現在とても減っているか、もはや消滅してしまったということである

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