風船ガムを飛ばしたい
風船ガムの話をしよう。
昔見た表現で、風船ガムを飛ばすというものがあった。ルパン三世だったような記憶がある。警察に追われるルパンは突如懐からガムを取り出し噛み始める。暫くの後、そのガムを膨らませ口から飛ばし、警察達の元へついた風船ガムは爆発する。その間に逃げるという寸法だ。爆発は無理までも、飛ばすくらいはできるのではないか。本物の風船のようにまっすぐ空へ昇らなくていい。風に乗って多少移動するくらいはできるのではないだろうか。
というわけで、久しぶりに風船ガムを買い漁ってきた。一番好きなコーラ味の10円ガムを箱買いだ。
流石に口に入れたものを外に飛ばすのはどうかと思ったので、部屋の中でやった。風の代わりに扇風機を用意して。壁に張り付く可能性を考慮し、ビニールシートを壁中に張った。この様子だけを見られたら、ちょっと怖がられるかもしれない。そういえば昔読んだ漫画で、人を処分するには風呂場にビニールシートが鉄板とか見た記憶がある。
結論から言うと時間の無駄だった。
風船ガムにはヘタとでもいうべき部分が発生する。膨らませる時、舌を使って二つ折りみたくするだろう。そこにできた谷に息を吹き込み膨らませる。だが、これによってできた吸引口付近には塊が出来てしまう。これがヘタだ。ここが重く、まともに飛ばない。上手くここだけを切り離せればよいのだろうが、それが難しい。作らないのも無理だ。息を入れるためにはガムを固定する必要があり、その都合上ヘタは絶対にできる。であれば切り離ししかない。
しかし先ほども言ったが、この切り離しが難しい。十分にヘタを取らないと結局重さが残ったままだが、ヘタを取り過ぎるとそもそも穴が開いてしまう。ギリギリの位置を見極めなくてはならない。というか口だけでそんな精密作業をやるのも辛い。慣れればできるようになるのかもしれんが、1日でどうにかなるレベルではなかった。気が向いた時にまた練習してみようと思う。いつかはできるかもしれない。
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