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桜 桜の樹の下には 私が埋まっている 無数の桜の根が私に絡みついてきて でもそれは優し…
○ あなたの姿を盗み見るのが 私にとって一日での たった一度の食事 後は理科準備室へ行…
○ 物語のとば口に立ったまま固まって これ以上何も進めたくないと ずっと泣いている …
○ 冷蔵庫に卵といっしょに入っているもの 冷たく固く薄っすらとピンク色のもの 取り出し…
○ 人形を一つ作る 腕は 片方がなく 脚は左右 反対 首は左に 傾いたまま 私はその 醜い…
○ 私は太陽がキライ。 心の奥の根を全て枯らして 不信という枯草でいっぱいにする。 私…
○ 私は 虚無と 並んで座っている。 彼女が 体を寄せてくると 私はその肩に 腕を回す。 彼女も腕を 絡ませてくる。 それから 私たちは 強く 抱き合い、 互いの体の 冷たさを 感じあう。 やがて 彼女は 牙を剥き出して 私に 襲いかかり、 肉を 喰いちぎり 骨を 噛み砕き 関節を 飲み込み こぼれた血の 一滴まで 啜(すす)る。 そして、 まるで 何も 無かったかのように そこには もう 何も 無い。
○ 「無価値」という言葉を 足首につけて引きずっている 中身は空っぽなのに酷く重い …
サナギ 毛虫は身体が辛くなってきたので その時がやってきたことを悟った そこですぐに準備を…
○ 真っ暗な部屋の中 真っ黒な壁に 真っ黒なマジックで ずっと 詩を書いている 書きた…