『ゲゲゲの謎』の感想

 いつだったか正確な日付を忘れてしまったが、先週(だったと思う)、京成ローザで観てきた。

 内容の一部の設定や、作風などが、SNSでかなり話題になっていて逆に驚いたのだが、私はごくごく普通に楽しめた。
 水木しげる作品的にも、70年前を舞台にした怪奇ミステリー作品としても、存分に楽しめるよい出来のアニメだった。
 私は「超自然的なものが実在する上で、論理的な推理が可能なミステリー(例えば映画『スリーピー・ホロウ』とか)」が大好物なので、かなり好きなタイプのストーリーだった。
 最新のTVシリーズ(でいいんだよね? 猫娘がやたら美形のやつ)の作品世界でのお話――というくくりのようだから、今の御時世にしてはけっこう思い切った作りになのは、逆に納得がいく。
 あのシリーズの鬼太郎は、けっこうブラックな話や、放送コードすれすれの話、ゾッとするラスト、みたいのが意識して多めに作られていた気がするからだ。
 その映画版ならば、このぐらいはやるだろうな~というレベル。
 ただ、鬼太郎というと子供向けのイメージが先行するから、そう考えるとたしかに題材的にまずいかな~という部分はあって、しかもそれが主要プロットの核の一つとなっているから、子供が観たときにキャラクターの心情が理解できなくなる恐れがある。そこを理解するには、親が説明しないといけないわけだが、果たしてどう説明したものか……と躊躇するような部分なのでなあ。
 だから、年齢指定のある映画になっているわけだ。

 ただ、鬼太郎好きには、色々と知っていれば知っているほど、あらゆる場面でぞくぞくするくらい楽しめる。鬼太郎の父母の扱いひとつを見ても素晴らしいものがある。墓場鬼太郎のネタを、こう作り込むか~という部分も含めて。例えば、母親の外見に関してなんか、特にだ。うますぎ。
 ただし、そこが全ての映画ではないから、予備知識が豊富でなくても普通に楽しめるはずだし、わからなかったところを知りたくなるようなら、まさに作り手の狙い通りな気もする。

 関係ないけど、主人公の水木は戦争中のシーンが出てきただけに「俺は不死身の水木だ!」って暴れてほしかったな~なんて思ったり。

 って、今日はゲゲゲ忌だったのか。

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