映画を四つ見てきた

 まず、特になにもない日にグリッドマンを京成ローザで。
 そして、会員デーにユナイテッド・シネマ幕張でネメシスとD&Dを。
 4月1日のファーストデーには、再び京成ローザでシャザムを……。
 なんで観たい映画は一度に封切られるんだか。しかも、上映スケジュールがうまいこといかず、日をまたいで見る羽目になるのか。
 うまくつながれば一日で観れるのに!!

●グリッドマンユニバース
 特撮のグリッドマンと、アニメのGRIDMAN、DYNAZENONの三作品を見ていると、ものすごく楽しめるアニメ。
 もちろん、そうでない人にも話の流れはわかるとは思うが、知らないキャラクターがわらわらと大勢出てくるし、みんななにかわけありで、初対面だけど共通の知り合いがいたりして……みたいなやりとりを蚊帳の外で眺めることになってしまうので、全く知らないで観るのはあまりおすすめしない。
 逆に、アニメのどちらかの作品を見ているって人は、それだけでいいから絶対に見て欲しい作品だ。
 アニメ二作のどちらの続きでもあり、双方に残っていたいつくかのモヤモヤしたことをしっかりと解決しつつ、新しい展開を見せている。
 しかも、ロボット&巨大ヒーローバトルの「見せたいもの見せましょー」的な部分もばっちりだし、全てのキャラクターへの愛に満ちている。かなり完成度の高い作品だと思う。こういうの好き。
 なんていうか、一人アベンジャーズみたいな作品だ。
 現実世界(と思われる実写の世界)の描き方が、なんか泣けるんだよね。アカネはアカネでしっかり生きてる。離れていても友達な感じが。そして、彼女が創造した世界のみんなもちゃんと生きてるんだよ! っていうあの描き方がまた泣けるのだ。
 私はナイトと二代目が好きなので、なかなか出てこなくてヤキモキした。
 あと、私が気づかなかっただけなのかもだけど、怪獣優生思想のメンバーについてはなにか言及されていた? 彼らには触れずに終わったのかな。アレクシスは出てきたのに、ってちょっと思った(出てきたのに気づいてなかったのならごめん)。
 さすがに両作品とも主要キャラクターが多いから、ポジション的には多少かぶるキャラもいるんだけど、その辺もかなりうまくまとめていた。
 見てて心地よい映画だった。


●ネメシス 黄金螺旋の謎
 TVシリーズで好きだったドラマの続編。
 なんか、ネットで叩かれていて視聴率も低くあまり人気なかったらしいんだけど、私は好きだったの。
 なんだろね、推理ものファンが嫌がっていたとか? よくわからんけど。普通に楽しかったけどなあ。みんなとパロディの楽しみ方が違うのかな。いいよ。それでもぼくは宇宙ターザンが好きなんだ(by野比のび太)。
 まあ、とりあえず乗っかってしまわないと楽しめないのは確かなんだけどね。今回も、序盤でネタはバレバレだったけども、とにかく「広瀬すずと橋本環奈の共演」と「両者の演技バトル」がこの作品の大事なところだ。フレーバーである、あぶない刑事とかスケバン刑事とか、場所が横浜だとか、そういう盛り込み過ぎなところは、乗っかってから楽しめればいいと思う。
 あとは、カラリパヤットの殺陣かな。なんか昔から好きな格闘技なんだ、カラリパヤット。グニャグニャした剣でも戦ってほしいなあと思っていたけど、やってくれなかった。
 まあ、映画館は初日でガラガラだったけどさ。
 今回も、すずと環奈はバチバチでバトルしていたよ。ほんとにワンシーンだったけど。初の共演映画じゃんね。
 私は満足。他の人に無理にはすすめないけどね。

●ダンジョンズアンドドラゴンズ アウトローたちの誇り
 今回見た四作品の中では――っていうか、今年見た中では、今のところ最高傑作!!
 D&Dのいろいろな要素が詰まっているんだけど、たとえあのRPGを知らなくても、ファンタジーものとして勘所をおさえているから、大人も子供も楽しめる映画になっている。そこが偉い。
 なによりいいのは、剣をガッツリ持った鎧をつけた勇者が大活躍――じゃないところが、最高にすばらしい。「こういうキャラがヒーローになれるんだよ!」なところが最高だった。 昔作られたダンジョン&ドラゴンという映画は、そこが大仰すぎて楽しめない感じだったんだよなあ。二作目はそうでもなかったけど、映画のルールが勝っている感じがした。
 ところが今作は、D&Dのルールをふまえつつ、映画として見せるところもものすごく丁寧に作り込まれているので実に楽しい。
 私はドルイドの女性が特に魅力的だったが、斧使いの女戦士もいい(ちょっと、シュワルツェネッガーのコナンの二作目に出てきた槍使いの女戦士を思い出した)。
 主人公の職業とか、古いD&Dしか知らないのでよくわからないんだけど、昔は盗賊のキャラでああいうプレイをよくやっていたなあ――って思った。頭を使ってがんばれって言われていたから。変な作戦ばかり思いついて、ルールやアイテムの特性や、敵の性格を逆手に取るようなことばかりしていた。主人公の剣を振り回すより頭を使う感じがまさにそれだった。だから、すっごく楽しめた。
 パーティーの構成が、なんだか『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』みたいだな、というのもすごく感じた。バラバラだけど噛み合うと強い、みたいな感じが。主人公が音楽を武器にしているところも。
 ストーリー展開にしても、いかにもTRPGのキャンペーンでありそーって感じの流れで、わくわくする。「アイテムの逆転的発想での使用」だの、ディスプレイサービーストとか、ゼラチンキューブだのも実にいい。キューブの中に金属の装備品が残るあの感じも話に利用したりとか。
 最後のボスとの戦いも、なんでこんなことをしたか壮大な目的を語ろうとしたボスに対し、その途中で有無を言わさず殴りかかる主人公たちのあの感じ! 「そうそう、それだよね」となって、しかもその行為がちゃんとその後の戦いの伏線になってる辺りもたまらんし。怒らせて隙きを作り、相手が勝ったと思った瞬間には敗北している――実にジョジョしてる感じで好きだ~。
 ただ、クレリックがいないのが気になった。やはり作劇上、治癒の魔法は便利すぎるのかな。今のD&Dにはいない、なんてことはないよね? 治しながら戦うあの感覚は、一般の人には伝わりにくいと判断した? まあそれ以前に、生き返れちゃうと話の根幹が狂うもんな。
 だから、それを行っちゃ野暮なのかな?


●シャザム
 DCの映画でこれだけおちゃらけている作品は他にないので、このシリーズはなんか好きだ。
 スーパーマンがいるのに微妙に能力がかぶってる感じなんだけど、どっちかというマーベルならソーのポジションなのかなあ。
 三人の女神が復讐に来る感じが、最初ちょっとスーパーマン2みたい、とか思った。 ルーシー・リューの悪役、はまってたなあ。
 全体的に面白いし、女神の末妹の描き方はとても魅力的だが、全体的に単調というか間延びしてしている感じ。中盤がだらだらたしているというか。やはり、人数がいすぎなのかな。 シャザムの基地の図書室にあったあのペンは、まさにチャットGPTって感じ。
 ラストのラストでの、あの人出てきてのあの展開は「おおおお~っ!」ってなったから許せちゃうけど。
 あと、「ヒーローもののラストで、なにかと墓の前でしゃべる作品が多すぎで気が滅入る」現象をぶっ飛ばしてくれたのもいい。
 だけど、主人公が精神年齢低すぎるよ。18歳でこんなかよ? ってなる。
 パロディも含め、笑っちゃうんだけど「またしょーもない」みたいなとこも多いというか。でも憎めないというか。次のフラッシュの映画でリセットされちゃうのかな。どうなんだろ。

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