昔、PBMに参加して書いたプレイ日記8

※「この日記がなんなのか?」については、1の冒頭を参照して下さい。
 賑やかしのスキや、投げ銭は大歓迎です!

----------(以下、1999年当時のプレイ日記)-------

<11月 大失敗?>

 まず初めに、ベーテホルムで昇天した原田(中略)一郎氏に追悼を捧げる。
 故人は生前、てこな丸の勇敢な掌兵長であった。

 久々のリアルタイムの日記である。
 結果が返ってきた。リアクションを読む限り、今月は成功とは言えないだろう。
 船団の大半は沈没するし、海の貴公子とはまともに交渉できなかったし……とはいえ、どんな結果であろうとプラスに導くのが小狡いプレイヤーのやり口であるからして、今回のゲームにおいて「名誉あるマンチキン」を目指している拙者も、当然ながらそのやり口で次の一手を考えねばならない。
 プラスに考えられるのは以下の点である。

●海の貴公子に関わった船で、残っているのがヘルヴァ号(てこな丸)ただ一隻であること。

●大岡命さんは、海の貴公子とのコンタクトに成功している。つまり、直接の交渉が不可能ではないこと。

 上記の二つから、「大岡命さんをヘルヴァ号に招待し、今一度チャレンジする」というアクションがとれる可能性がでてきた。無論、その際には他の宝船メンバーも乗船することになるだろうが、なにヘルヴァ号には大砲がない。うっかり大砲を撃ってしまう危険もないだろう。
 また、坂マスが大サービスをしていて、

●どうやら、貿易のみに終始していた我々が全く無関心だったマリー船団と、このリアクションがどうやら関連していること。

 が、このリアクションからだけでも容易に推測できる。
 とはいえ、坂マスのことだ、これには何かもう一ひねりありそうな気もする。
 青子さん(のプレイヤー)の言葉を借りれば、我々は「出口から無理矢理入ろうとしている」のだから(※1)。
 が、仮にそうだとしても、今さら入口に回ったところで行列の一番後ろに並ぶしかないのは目に見えている(特別な「整理券」があれば話は別だが、あいにくと我々はまだそんなものを手にしてはいない)。否定するマスターもいるだろうが、担当し続けているPCへの義理とか積み重ねへの愛着というやつは、中々に重要なウェイトを占めているはずなのだ。
 しかし、たとえここが「入れない出口」だとしても、我々だけがここにいるという事実は、やはり利点として利用すべきなのだ。←でなければ、安易にプレイヤーを出口に案内すべきではない。ここが正念場と気張ってしまうのが、プレイヤー心理なのだから。
 ここで「海の貴公子に会いに行った全員」が、おめおめとマリー船団に押し掛けたのでは、あまりに芸がないではないか!(※2) それとも、この選択肢は単なる誘導リアクションだったとでも? ただでさえ、一国の艦隊に匹敵するマリー船団へ? そんなバカな?!
 んまあ、この選択肢に一人も来なければ、リアクションが減って坂マスが喜ぶかも知れないが、そんなことは一プレイヤーにはあずかり知らぬ事だし……。
 では、どうするか。もし出口なら、入れないにしても(渦巻き以外の)何かを引っぱり出すくらいなら可能なのではあるまいか?
 具体的な行動を考えるには情報を集めるしかない。今月の拙者は、プライベに顔を出せない状況だったが、そこはそれ、青子さんがしっかり調べてきてくれていたのである。感謝感謝。
 本八幡で落ち合った我々(※3)は、マリー船団に行くか、あくまで60201で勝負するかで散々悩んだあげく、後者を選ぶことにした。
 これには、以下のような我々のリアクション以外の情報が決め手となった。

●マリー船団が、別選択肢で海の貴公子との邂逅の準備段階にあること。←今月中に親子の遭遇が起こるのは難しいと判断。
●マリー自身が、会いたがっていないという事実。

 そこで、我々は「海の貴公子にこれらの事実を告げ、彼と交渉する」という行動をとることにしたのだ。「マリーをその気にさせる手だて」を、父親の側から引き出せないか……と思ったので。正直、ここで打てる手は、これくらいである。
 メイルゲームの距離感からすると「マリーと海の貴公子の邂逅は早くても再来月」という感じだからだ。無論、これはアクロバット的なアクションによって大幅変更する可能性あるが、そうしたアクションは切り札のない我々には極めて難しい。
 来月、運が悪ければ戦列艦を失うことになるかも知れないが、まあ海戦ばかりが船乗りの冒険でもあるまい、命や名誉の賭けどころは色々とあるのだ。

※1:彼は非常にバランス感覚に優れたプレイヤーである。メイルゲームにおける「遊びどころ」が拙者のそれと近いのである。コンビを組めたことを神に感謝しなければなるまい。
※2:その必要性を否定しているわけではない。先遣隊をこの段階で送っておくことは極めて重要である。それが、船を残している我々のやることではないというだけの話。
※3:拙者がゲムルから帰るときの乗換え駅。青子さんが千葉県人なので助かる。

<11月7日 怪しまれるのこと>
 ここはいつもと少し趣向を変えて、RPG「クトゥルフの呼び声」の手がかりメモっぽく読んで欲しい。
    ×    ×    ×    
 11月7日
 どうやら、彼に私の正体がばれつつある。
 本八幡での会合で、彼の口から、私の素性に関するやりとりを聞かされた。
「●●さんて、なにか有名なプレイヤーさんだったのですか?」と、彼は聞いた。
 なぜ、そんなことをと私がたずねると、彼はプライベでの出来事を不思議そうに話した。
「私が、『エマというキャラの●●さんという人と組んでいるんですよ』と言うと、皆さん、●●さんを知っている様子なので、有名なプレイヤーなのかと聞いたら、『いや、べつに……』と語尾を濁してしまうんですよ」
「はて、どうしてでしょうかねえ……」と、私も語尾を濁すしかなかった。
 どうしようか、いっそこの機会に正体を打ち明けてしまおうか、そんな気にもなったが、やっとの思いで堪えた。
 先月も「締め切りのある仕事なもので忙しくて」などと言い訳しているし、何かと怪しまれつつあることは確かだ。なんとかしなければ……。
    ×    ×    ×    
 って、ここで改めて強調しておくが、拙者は悪意をもって、青子さん(のプレイヤー)に素性を隠しているわけではない。この状態の方が、お互いによりメイルゲームを楽しめると思ってそうしているだけだ(まあ、スリルを楽しんでいないと言えば嘘になるが)。
 彼がインターネットでこのページを見れば気づくことだし、こちらから言うつもりはない。変に気をつかわれても何だし、日誌の冒頭でも述べているが、あくまで一プレイヤーとして楽しむつもりなので、「プレイヤー伊豆平成」などという形は日誌上だけで、実際のプレイには持ち込みたくないのである(※1)。
 なお、ミディさん(のプレイヤー)は、拙者のことを知っているのだが、その辺を気にせずにプレイしてくれていて、大変に有り難いことだと感謝している。

※1:インターネットを利用している人には、ほぼ100%わかってしまうので自分から言ってしまう可能性はあるが、伊豆平成の名でGANGWAYに投稿したりはしないわけである。

<11月9日 そうか、鄭家も考えに入れねばならぬか>
 『さる』御方から手紙が届く。
 プライベで青子さんと出会った人物からであった。
 上の日誌を書き終えたところに届いたので、非常にタイムリーで驚いてしまった。
 いやはや、そうです。青子さんは知らないのです。黙っていてくれたことに感謝しております。ただ、拙者はプレイヤーであって、海賊王女のマスターではないので、その辺は誤解の無きよう(いや、ご存じのこととは思いますが……)。
 と、それはさておき、有り難い忠告が手紙に書かれていたのである。鄭家で出した西方海域からの異国船うち払いの件である。念のために、手を打っておいたほうがいいだろうか……ううむ、しかし、今回はミディさんたちがいないので弱った。得意の逃げ回りでいくしかあるまい。しかし、逃げ回って貿易していたときより、戦って海賊をやっつけた時の方が、もらえる名誉力が低いというのはどういうわけだ?

<11月11日 宝船の船長から連絡。おいおい、エクスも来るの!?>
 大岡命さん(のプレイヤー)からお電話をいただく。来月のアクションについて話し合った。他者の来月のアクションに密接に関わるので、現段階では詳細は述べられないが、結果として袂を分かつ形となる(合流予定だけどね)。
 う~む、しかし、聞いた限りでは、かなり難しいアクションではあるまいか。「私がマスターだったら没ですね……」と、喉元まで出かかったのだが。
 エルスウェアに電話して聞いたら、難しいかもと言われたとのこと。やはりというかなんというか……不安である。しかしまあ海賊王女では事情が違うかも知れないし、仮に失敗に終わったとしても良い経験であろう。一ヶ月分を費やすのは授業料としては高い気もするが……。
 それとは別に、エクスからも海の貴公子の元に船が来るとの情報を得る。どうもきな臭い。やはり、シナリオには絡まずに貿易してりゃ良かったかなあ。でも、先にケンカ売ってきたのは坂マスだし、しょうがないよね。もう少し粘ってみましょうか。

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