「意識と本質―精神的東洋を索めて」を読んで
物事の「本質」というものは時代を問わず哲学の主題のひとつとして扱われてきました。プラトンのイデア論は言うまでもなく、またこれに対する考察だけでも数多くあります。
しかし、同じ「本質」についての議論で言えばイスラーム哲学や中国、日本などでのいわゆる「東洋」の思想について触れた本は比較的少ないものです。「東洋」という分類が正しいかはひとまず置いておくとしても、やはりこれらの思想は馴染みがないという人が多いのではないでしょうか。
また、最近はマインドフルネスや瞑想ブームで禅の考