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思考のしおり

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#デザイン

共感はそこまで必要なのか

デザイナーである田中 一光の著作を読んでいたところ、「共感よりも芸術の啓蒙を」というような一節にぶつかった。デザインに関わらずどんな分野や場面でも共感を重んじる現代には物珍しく響く言葉である。逆に「啓蒙」の方はは久しく耳にしていない。 共感が重視されるようになったのは言うまでもなくインターネットの影響だろう。誰でも気軽に意思表明できると言うのは今までにない変化だといえる。今まで出版という関門を抜け出すことのできなかったものも世に出てくるようになった。 意思があちらこちらで

見えるものと感覚:『色彩との対話』柳宗玄

ミニマリズムという考えは注目集めている考え方のひとつです。豪華な装飾よりも、実用的な美しさを追い求める動きも増えているのではないでしょうか。 いまや美術品だけが美しいものの代表だという人は少ないでしょう。デザインという言葉は建築から日用品までさまざまな場面で使われる言葉になりました。 日用品の中に美を見出す、という考え方について日本における先駆者として柳宗悦が挙げられます。 用と最も厚く結合する雑器に、工藝美の最も健全な表示があるのを説こうとするのである。用器と美器とは