歌ってみたMIX講座【Comp基礎編】


ご観覧頂き、ありがとうございます。


音楽専門学校で教わってきたPeGiTaが
歌ってみたのMIX技術をここで記事にしていきます。


MIXを知るためにはまずは専門用語や
そのエフェクトにはどういう効果があるのかを知る必要があります。
まずはMIXには欠かせないCOMPとEQ、
その他エフェクトについて解説していきます。


分かりにくい部分があればコメントください!

今回はあくまで基礎的な用語やエフェクトの効果をこの記事で書いていくつもりです。

そのエフェクトを使った細かな技術などは
違う記事で紹介します。


今回は、コンプレッサーについて詳しく解説していきます。
コンプレッサーにある機能

  • スレッショルド(Thereshold)

  • レシオ(Ratio)

  • アタックタイム(Attack Time)

  • リリースライム(Release Time)

  • メイクアップゲイン(MakeupGain)

  • ニー(Knee)

これらの機能を解説していきます。


コンプレッサー(Compressor)【通称:COMP】


簡単に言えば音圧を揃える(音の大きいところと小さいところの差をなくす)効果のことを言います。
Cubase(DAWソフト)上では
Dynamicsと言うジャンルに入っています。


Threshold(スレッショルド)

コンプレッサーが掛かり始めるレベルのことを言います。
設定したレベルを超えるとコンプレッサーが掛かり始めます。

例えば、-10dbと-20dbでは、-20dbのほうがコンプレッサーが

深く掛かります。


音圧上がるのなら・・・とレベルを上げ過ぎるのはよくありません。


  • 抑揚(音のメリハリ)が無くなってしまう。

  • 音割れが発生する。

  • ノイズまで大きくなってしまう。


上記が発生するので耳で聴いて設定しましょう!


Ratio(レシオ)


スレッショルドが掛かった部分の圧縮率のことを言います。

レシオは比率なので、〇:〇で表示されます。

例えば、元の音よりも半分に音を圧縮したい場合は2:1になります。

3倍なら3:1・・・4倍なら4:1・・・となります。

画像で見るとわかりやすいと思うので画像を作りました。

これはオーディオの周波数の一部を拡大した図になります。

赤い線ががスレッショルドレベルで赤線よりも上の部分が圧縮する範囲です。

この圧縮する部分をレシオ2:1・・・つまり半分にします。


すると・・・

このようになります。

これがレシオの値2:1で設定されたオーディオになります。

レシオの値を3:1・・・4:1・・・と上げていくと上の図で言うと

スレッショルドレベルよりも上の山が圧縮(高さが低く)されていきます。

※勘違いされがちですが、あくまでスレッショルドレベルにかかっている部分だけが圧縮されます。全体的に音が圧縮されているわけではありません。



プラグインではプラグインによって多少異なりますが、
このような表示がされます。

Comp図

図の解説です。
●が左下に行くほどスレッショルドのかかる値が大きくなります。
そして●を起点に●より上の線の角度が緩やかになっていきます。
この曲がり具合が、どれぐらい圧縮するか決めるレシオになります。

上の図であれば、スレッショルド値ー40dBでレシオが-20dBのところまでなので半分。つまり、圧縮率は1:2ということになります。


Attack Time(アタックタイム)


スレッショルドレベルを超えてからコンプレッサーが効き始める時間のことを言います。

アタック図1


キックドラムのオーディオを使って説明します。

スレッショルドレベルを設定します。

アタック図2

の部分を拡大します。

アタック図3

縦の青線はコンプのかかり始めの線です。
アタックタイムを0.0ms(ミリセカンド)にしたときは
この青線になります。

アタックタイムが0msだと全てが削られてしまい、キックドラムのアタック音が無くなってしまいます。
キックドラムのアタック音を強調したいので、

アタック図4

図ようにアタックタイムを赤の線まで遅らせます。

アタック図3アタック図4を比べてもらうと何かに気づきませんか?


正解は『Compがかかっている部分』の範囲が狭くなっています。
これはどういうことなのかというと、アタックタイムを遅くしたことによってコンプのかかり始める時間を遅らせています。
今回は、キックのアタックを強調したいので一番山が高くなっている部分にアタックを合わせています。

必ず一番山が高くなっている部分に合わせる必要はありません。楽器の音によってアタックを強調するかは変わります。

そして、アタックタイムを設定するということはこの部分以外も同じ
アタックタイムに設定されるので、全体をよく聴きながら設定しましょう!


Release Time(リリースタイム)

アタックタイムとは逆でスレッショルドレベルが欠けて(コンプレッサーが掛からなくなって)からコンプレッサーの効果が切れるまでの時間のことを言います。

アタックタイムと同じキックの音で説明します。

リリース図1

今回はアタックとは逆にスレッショルドレベルが欠けてからなので
リリース図2のようになります。

リリース図2

この青線がリリースタイム0.0ms(ミリセカンド)の線です。
リリースタイムを設定してみます。

リリース図3

リリース図3はリリースタイムを設定した図です。
『Compがかかっている部分(青)』を見てもらうとわかるのですが、
コンプがかかっている部分が変化しています。
緑の縦線までリリースタイムを遅れさせた結果
『何もかかっていない部分(黄色)』には何も影響ないはずですが、
リリースタイムを緑の縦線まで遅くしたことによって
『何もかかっていない部分』にまで影響を与えるようになりました。

これがリリースタイムの役割になります。
主に、音の余韻に深み(圧)を出したいときなどに使われます。


MakeupGain(メイクアップゲイン) or Gain or OUTPUT


プラグインによって名称は異なります。

圧縮したときに小さくなった音を上げることが出来ます。
スレッショルドがかかっている部分だけでなく
全体的に音が上がってしまいます。
つまり、ノイズなども持ち上がってしまうので
気を付けなければいけない部分でもあります。

MakeUpGain図1

これがコンプで圧縮した時の波形です。
ノイズも混じっているものだと思って下さい。
※ペイントツールで作成している為、弧の描き方が不自然ですがご了承ください。

これをMakeUpGainで上げていきます。
すると・・・

MakeUpGain図2

画像のようにMakeUpGainを上げると全体が持ち上がります。
小さい波形の部分はノイズだと思ってください。
図2を見てもらうとわかりますが、ノイズ成分も一緒に上がってしまっています。
なので、Mixするにあたってあるコツが必要になります。
詳しくは『歌ってみた講座土台編』で解説するので、
よければそちらのほうも見て頂けると嬉しいです。

Knee(ニー)


コンプレッサーを掛けたグラフの曲がり具合を
直線的にするか緩やかにするかを決める効果
があります。
上記のスレッショルド・レシオで説明した図で説明します。


設定が弱いものを『ソフトニー』
強いものを『ハードニー』と言います。

SoftKnee

これが『ソフトニー(SoftKnee)』です。
注目する点は青丸の部分です。
曲線が滑らかになっているものがソフトニーになります。


HardKnee

これが『ハードニー(HardKnee)』です。
ソフトニーと比較して見てもらえるとわかりやすいのですが
青丸の部分がハードニーだと角張っています。


この『ソフトニー』と『ハードニー
って何が変わるの?


答えは圧縮のかかり具合が変わります。


『ソフトニー』だと緩やか圧縮されるので、
自然にコンプがかかったように感じます。


『ハードニー』だと鋭く圧縮されるので、
「コンプがかかっている部分」
      と
「コンプがかかっていない部分」
にわかりやすい差を付けることが出来ます。
逆に、不自然に聞こえてしまうという欠点もあるので
注意が必要です。


まとめ


  1. コンプレッサー(Compressor)とは『音圧を揃える効果』のことである。音量の差をなるべく無くすことによって聴きやすくさせる。

  2. スレッショルド(Threshold)とは『コンプレッサーが掛かり始めるレベル』のことである。あまりレベルを上げ過ぎると、抑揚が無くなったり、音割れが起きるので注意が必要。

  3. レシオ(Ratio)とは『スレッショルドが掛かった部分の圧縮率』のことである。〇:1で表示される。〇の数字が高ければ高いほど圧縮される。

  4. アタックタイム(AttackTime)とは『スレッショルドレベルを超えてからコンプレッサーが効き始める時間』のことである。キックなどのアタック音を目立たせたいときに大事になる。

  5. リリースタイム(ReleaseTime)とは『スレッショルドレベルが欠けて(コンプレッサーが掛からなくなって)からコンプレッサーの効果が切れるまでの時間』のことである。音の余韻に深み(圧)を出したいときに大事になる。

  6. メイクアップゲイン(MakeupGain) とは『圧縮したときに小さくなった音を上げる』ことである。スレッショルドがかかった部分だけでなく全体的に音が上がる。つまり、ノイズなども上がってしまうので扱いには注意。

  7. ニー(Knee)とは『コンプレッサーを掛けたグラフの曲がり具合を
    直線的にするか緩やかにするかを決める効果』
    のことである。設定が弱いものを『ソフトニー』強いものを『ハードニー』という。ハードニーは不自然に聞こえてしまうという欠点がある。


以上で、『コンプレッサー』の解説は終わりです。


これを踏まえた上で本格的なミックス技術を別の記事で教えていきます。
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