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謡ふ酒屋樗堂一茶/烟しての巻

    日常平語
     26

雜汁に下部の膳の秋の風
 醍醐は今に蚊の多き月        一茶

名オ八句、月の座を引き上げて、なんだかブンブンうるさいね、と。

     〇

醍醐は だいご・は、一茶全集に「京都東南郊」と。

今に いま・に、今に又、今でも

蚊の か・の、小奇麗ではないが、大阪からの文物が入り、人の交わりはわりに細やか。

多き おおき、なんだかねえ、いつまでも、温かいのかしら

月 つき、月もでてるよ。

     〇

まぜじるに しもべの ぜんの あきの かぜ

  だいごは いまに かのおおき つき

追い打つように、蚊をブンブン飛ばしているのですが、ここまでくれば侘しさを通り越し、「しょうがないさ」と、達観の趣を見せていたのです。

     〇

俳諧に

宿の月奥へ入ほど古畳        嵐蘭
 先工夫する蚊帳の釣やう      執筆
才ばりの傍輩中に憎まれて      岱水
 焼焦したる小妻もみ消ス      芭蕉

「けふばかり」の歌仙『韻塞』(初オ、5.6句、初ウ1.2句)

近代の句に

叩かれて昼の蚊を吐く木魚かな    漱石
蚊柱や吹きおろされてまたああがる  鬼城
兇状旅で藪蚊は縞の股引よ      将五

など。

13.12.2023.Masafumi.

余外ながら

ビートたけし『たけしの落書き入門』新潮社(2004)

 子供の頃なんか、絵に興味もなかった。大人になってからは『たけしくん、ハイ!』の装丁のために、ちっちゃな絵を描いたくらいかな。

ヨーブンは、「日本文化はほんとうに単一で同質なのか。わたしはその深層を構成する民俗文化をとおして、みずからの疑問を解いてみたいと考えてきた。その思いは今も変わらないのであるが、未知の問題は多くなるばかりで、解決への道はますます遠くなっていく。」坪井洋文『民俗再考 多元的世界への視点』日本エデイタースクール出版部版(1986)

2017 アウトレイジ 最終章 Outrage Coda Outrage: Coda

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