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仕切り直し樗堂一茶両吟/藪越やの巻

     八

北谷の竹葺く軒端落かゝり     樗堂
 水汲む礼に水菜送りて      一茶

初ウ二句、水と水菜の贈答句で初春の恋を呼び出していました。

     〇

水汲む 若水を汲む民俗があるように、日常の水とは異なった気持ちを伝えていました。(例えば、茶に銘水を求めるように)

礼に 水のお礼として

水菜 京菜とも。

送りて 水のお礼に京菜を贈りました、、、、。

     〇

きたたにの
 たけふくのきば おちかゝり 

 みずくむれいに
 みずなおくりて

雑の句に、瑞々しい句が付けられ、贈答を機に交わされる人情の機微やそのありかをも伺っていたのです。歌仙では、これを乞いの呼び出し云っていました。

     〇

砂植の水菜も来り初若菜      其角
桃燈に水菜揃へる冬夜哉      許六

清明の水菜歯ごたへよかりけり  真砂女
雪蹴って水菜畑ゆく童女      龍太
逆うらみかなとも思ひ水菜喰う  登四郎

こんな句もありました。

25.8.2023.Masafumi.

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