マガジンのカバー画像

お口の中のお役立ち記事

45
むし歯や歯周病などのほか、お口の中を健全に保つために大切な情報、お口の中の豆知識などをご紹介します。
運営しているクリエイター

記事一覧

むし歯予防

4月から新生活を始められた方も1ヶ月が経過しある程度生活のリズムが整ってきたのではないでしょうか。その新生活の中のリズムに取り入れてもらいたいのが、今週と来週でご紹介する「むし歯予防」と「歯周病予防」です。どちらも毎日の歯磨き習慣(セルフケア)と定期的な歯科検診(プロフェッショナルケア)などがとても大切になります。 むし歯の発生は、歯の質や形状、糖質の摂取状況、細菌(むし歯菌)の有無、唾液の質や量など複数の要因が関係し、これらが悪い条件のまま長時間経過するとむし歯菌が作り出す

口呼吸のリスク👄👃

今週は今月医院の入口に掲示している案内板の一面「口呼吸のリスク」についてご紹介します。 口呼吸をしていると唾液が減少して口の中が乾燥します。唾液が減少するとむし歯や歯周病の原因になります。それ以外にも口臭がきつくなったり、歯並びが悪くなったりと口の中の環境が悪くなるリスクが高まります。 一方、鼻呼吸にはメリットがあります。鼻から喉へは空気が抜ける空間として鼻腔があり、中は粘膜で覆われています。粘膜には細かい毛が生えていて、空気を吸った時にはホコリや化学物質、細菌やウィルスを

金属アレルギー

今週は金属アレルギーについてご紹介したいと思います。むし歯治療で使われる銀歯や詰め物など、金属を口に入れる事で顔や全身にアレルギー症状を引き起こしてしまうことをいいます。金属アレルギーは腕時計や指輪などが原因となる事もあり決して口腔内だけが原因になるとは限りませんが・・・ アレルギーの原因物質は血液の循環によって全身に回ることから、体に触れている所だけでなくさまざまな部位に症状が出ることが特徴です。例えば、口内炎や歯肉炎、舌炎などの口腔内の症状だけでなく、口の周りや背中、手や

骨粗しょう症と歯周病

今週は今月医院の入口に掲示している案内板から「骨粗しょう症と歯を失うリスク」についてご紹介します。 一般社団法人日本生活習慣病予防協会によると日本人の約1,300万人(女性:980万人、男性300万人)が骨粗しょう症と言われているそうですが、その9割の方は「歯を失うリスク」も抱えている可能性があります。 骨粗しょう症の原因の一つとされるているのが「エストロゲン」というホルモンの減少だそうですが、このエストロゲンの減少が歯周病を引き起こす原因にもなっているそうです。 このよう

定期的に歯ブラシの交換を!

先週に引き続き今月医院の入口に掲示している案内板をご紹介します。 今週は「定期的に歯ブラシの交換を!」です。 皆さんは歯ブラシをどれくらいで交換していますでしょうか?歯ブラシは定期的に通常1ヶ月ほどで交換することを推奨しています。 毎日数回歯を磨いていると1ヶ月ほどで歯ブラシの毛先が開いて来ると思います。毛先が開いて来ると毛先が歯に真っ直ぐに当たらずに歯をきちんと磨くことができなくなってしまいます。さらに、歯ブラシを裏側から見てヘッドより広がっていたら1ヶ月を待たなくても交

歯科定期検診(メインテナンス)の奨め

今週はいずみ中山歯科が推奨する定期検診(メインテナンス)についてご紹介します。 まずは「3ヶ月に1度の歯科定期検診を推奨する理由」についてです。 食事などで歯に付いた汚れは食後8時間ほどすると細菌が付着してプラーク(歯垢)が形成されます。さらにプラークは約48時間(2日程度)で硬い歯石に変わり始めてしまいます。歯石に変わってしまうともうご自身の歯ブラシでは除去できなくなり、その後も細菌はどんどん増えていきます。 歯石は歯科で専門の機械を使って取り除きますが、歯石が多くの歯に付

お口の老化「口腔機能低下症」

今週は「お口の老化」についてご紹介します。 最近「ムセることが増えた」、「食事が食べにくい」あるいは「咳払いが増えた」、「食べ物が喉に痞(つか)える感じがするようになった」など、ちょっとした変化でも感じられることはありませんでしょうか。このような変化はお口の機能が老化し始めた兆候です。 噛む、飲み込む、話すなどのお口の機能は加齢とともに衰えていきます。例えば、喉にある喉頭蓋の弁の動きが悪くなるとムセや咳払いをしやすくなります。また、舌の力が弱くなったり唾液の分泌量が減ったりす

口腔機能発達不全症とは

先週はいわゆるお口の老化「口腔機能低下症」についてご紹介しましたが、今週は逆に発達が不十分な「口腔機能発達不全症」についてご紹介します。 口腔機能発達不全症は、先天性の疾患などがない健常児に食べる、話す、呼吸するなどの機能が十分に発達していない、もしくは正常な機能を獲得できていない状態を指す疾患です。この場合、歯科や耳鼻科などの専門的な支援が必要になります。 まずは食べる機能不全。食べるという行為は食べ物を認識して、口に運び、噛み、舌で丸めて飲み込むという一連の流れから成り立

奥歯が無いままだと・・・その1

 今週は奥歯を失った後放置しておくことで次第に現れる影響などをご紹介したいと思います。  奥歯は歯を磨きにくく前歯よりもむし歯になってしまうことが多いです。また噛みしめや歯ぎしりなどの影響も受けやすく最初に失ってしまうことも多い歯です。この奥歯を失ったまま放置されていると思わぬ産物を産み出してしまうことがあります。それは太りやすくなるということ。  奥歯を失うと咀嚼機能が低下して軟らかくて食べやすく、簡単に満腹感を得られやすい食べ物を食べがちになります。例えば、ラーメンなどの

奥歯が無いままだと・・・その2

 先週に引き続き奥歯を失ったままで起こる影響についてご紹介します。  突然ですが「サルコペニア」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?  サルコペニアとは、加齢によって生じる筋肉量・筋力の低下のことです。高齢者の体力や運動機能を急激に低下させ、転倒や寝たきりのリスクとして挙げられます。このサルコペニアは筋肉の主成分であるたんぱく質の摂取不足が原因となることがあります。  筋肉を維持するために摂取したたんぱく質を効率よく使うには野菜に含まれるビタミンやミネラルが欠かせませ

隠れ歯周病

 歯周病とは単に歯肉(歯ぐき)が腫れる病気ではありません。進行すると歯を支える歯槽骨(しそうこつ)を溶かして、最後には歯が抜けてしまうという恐ろしい病気です。それにも関わらず歯周病は自覚症状がほとんどありません。  歯周病の唯一のサインと言えるのが歯ぐきからの出血です。出血は歯ぶらしで傷ができて起きるわけではなく、歯ぐきの組織が歯周病菌と戦い炎症を起こしたことによるものです。この出血を放置してしまうと歯周病が進行して、歯を支える骨が溶けて、最終的に歯が抜けてしまうことになりま

歯石と歯石の付きやすい場所

 今週は歯に付く石のように硬い歯石と歯石の付きやすい場所についてご紹介します。  歯石とは簡単に言うとプラーク(細菌の塊)が唾液に含まれるミネラルの影響によって石のように固まって歯に付着したものです。歯石そのものは歯や歯ぐきに大きな害を及ぼすものではないですが、表面がざらざらしているのでプラークが付着しやすい形状になっています。歯石を放置するとそこにプラークが付着して周りの歯ぐきに炎症を起こして歯周病になったり歯周病が進行したりするリスクが増加してしまいます。  歯石を取り除

歯への有効成分配合歯磨き粉

 突然ですが、歯の表面が何からできているかご存じでしょうか?  歯の表面を覆うエナメル質は人体の中でも最も硬い組織で、その97%がハイドロキシアパタイトというリン酸カルシウムの一種で構成されています。 ハイドロキシアパタイトの結晶は硬いですが、酸に弱く、むし歯菌の出す酸や酸性の飲食物により結晶内のミネラルが溶け出てしまいます。歯を磨かずに放置していると唾液による再石灰化はあっても、多くの方は歯が溶けていくスピードが速くむし歯になってしまいます。再石灰化に必要なカルシウムな

いずみ中山歯科が予防とメインテナンス(定期健診)に重点を置く理由

 いずみ中山歯科では「予防とメインテナンスに重点を置いています」と当noteでもご紹介することが多いですが、いずみ中山歯科が予防とメインテナンスに重点を置いている理由について簡単にではありますがご紹介したいと思います。  これまで日本では歯医者に通うのは虫歯になってからが主流でした。しかし、虫歯になった歯はどうしても詰め物と歯のわずかな隙間に汚れが入り込んでしまい歯ブラシでは取り除けずに詰め物の周囲から再び虫歯になるという負の循環になりやすく、これが繰り返されることによって最