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泣きたくなる夜

「そんな泣くようなことでもないのに泣きたくなること」ってたまにあるよね。今日ふと思い出して、やっぱり泣きたくなったので残しておこうと思います。


まだ赤ちゃんだった上の子を連れて、小学生のころに担任だった先生の家に遊びに行く機会がありました。小4と小6の2回、受け持ってもらった男の先生。子どもの心をつかむのが本当に上手で、大好きな先生だったな。

きっかけは、ちょうどそのころに周りで流行り始めたフェイスブック。もう10年以上も連絡をとっていなかった同級生たちと次々とつながり、その流れで先生とも連絡をとるようになっていた……んだと思う、確か。(ちょっと忘れてきちゃったな)

で、子ども産んだしってことで、先生に会いにいくことにしたわけです。

車のナビを頼りに先生の家を探すけれど、なかなか見つからない。約束の時間も近づいているし、と焦りながら前もって聞いていた先生の携帯に電話をかけました。

「もしもし?」先生の声が聞こえた瞬間、「あっ先生お久しぶりですえっとおうちの場所がわかんなくて……!」と捲し上げるわたしに先生は、ゆっくりと、

「いずみ、お姉さんの声になったねえ」。

そのひとことで、一気に当時に引き戻された気がして、ふわふわと力が抜けてわたしはどうしようもなく泣きたくなってしまった。

ノスタルジーといってしまえばそうなのかもしれないんだけど、ちょっと違う気がするし、あれから10年近く経ったっていうのにやっぱり思い出すと泣きたくなってしまう。

世界に無防備でいられたあのころ、先生は優しく守って導いてくれた大人のひとりだった。無意識に抱いていた安心感を思い出すからなのかもしれないなと思ったり。



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