ラジオで不意に宇多田ヒカルを流さないでほしい

ラジオから不意に宇多田ヒカルが流れてくるのが苦手だ。

曲の持つあまりに強い引力に、情緒が意に反してぐちゃぐちゃになってしまうから。ありもしない切ない記憶が生まれ、何気ない思い出が勝手に坂本裕二監督でドラマ化されてしまう。

宇多田ヒカルを聴くときはこちらにも心の準備が必要なのです。

同じ理由で曲をランダム再生で聴くのも苦手で。

普段わたしはApple Musicを使っていて、運転中はカーステレオとiPhoneをBluetoothでつないで自動再生している。基本的にアルバム単位で聴いているのだけど、ときおり、前回の再生の記憶をどこかで失くしてしまうのかなんなのか、突然ライブラリを横断してシャッフル再生が始まることがある。

レイハラカミのあとにラルクが流れたり、ブンブンサテライツの後にフィッシュマンズが流れたりするのだ。GREAT3の後に嵐が流れてくるし。

それがすごく嫌で。曲ごとに揺さぶられる感情とか感覚が違うから、それがまったくコントロールできなくなってしまう。どんだけ曲に感情移入して聴いてるんだって話だけど、まあそうなんだから仕方ない。（もちろん、単純に今の気分じゃない曲が流れてくるのが嫌っていうのもある）

なんだろう……感情を自分の支配化に置いておきたいのかもしれない。予定調和の世界で生きていきたいだけなのかもしれないけど。だけど、うっかりシャッフル再生で流れてきた曲のよさを思い出すきっかけにもなることもあるし、そう悪いことばかりでもなかったりするよね。人生かよ。