ピペーニョ 2021
今日は新しくいわばえに仲間入りしたチリのワイナリー、カスィック・マラヴィッリャのピペーニョをご紹介します。
カスィック・マラヴィッリャがあるのは、チリ、ビオビオ州のユンベル。そして、ぶどうはパイス。と言えば、昨日ご紹介したアグリコーラ・リュイット・リミタダのパイス・デ・ユンベルを思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか?インポーターに尋ねてみたところ、以前一緒に働いていたのだそうです。
その造り手はマヌエル・モラガ・グティエレス。スペインのカナリア諸島から渡ってきた祖父から数えて7代目にあたりますが、ぶどうやワインを他の生産者に売るのではなく、瓶詰めまで始めたのは彼が初めてでした。
ですが、彼のファーストリリースは、2010年にチリを襲ったあの大地震と重なってしまいます。設備のほとんどを失ってしまったマヌエルでしたが、ぶどうは生き残りました。それから何年もの時間をかけて、ワイナリーを立て直していきます。
明るいルビーレッド。いちごやアメリカンチェリーの香り。赤いバラやスパイスのニュアンスも。
いきいきとした酸味としっかりとした旨味があり、飲み心地は軽やか。自然なプロセスで造られたワインは、ピュアでエネルギーに満ちています。
カスィック・マラヴィッリャのサイトでマヌエルの畑を見ると、ぶどうの力強さに驚きます。幹はどっしりとしていて、葉は繁り合い、ツタはどこまでも伸び、野生動物が自由に走る様を見ているようです。このワインに使われているパイスは樹齢100年から250年なのだとか。
ユンベルという土地への敬意が表現された素敵なワインです。少し冷やしめでお召し上がりください。
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