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あの絵に会える町

長崎の大学を卒業して一旦は働き始めたものの、どうしても絵が学びたくて東京へ行き、あちこち専門学校の説明会を聞いて、選んだのがKIDIでした。
一年金沢で基礎科を学ぶチャンスを得て、その後ニューヨークのパーソンズ大学のイラストレーション科に編入したのですが、編入試験に合格したとき思ったのは、この絵のこと。

ずっとこの絵が大好きで。ニューヨークはこの絵がある場所だと憧れていたのです。
行ってから知ったのですが、なんとパーソンズ生はニューヨーク近代美術館の割引があったのです!実物の絵を観た回数で一番多いのは、間違いなくこの絵。本当に嬉しかったなぁ・・・。

しん・・・という音が聞こえそうな静寂。光が女とライオンを取り囲んで発光しているかのようです。いつもそっと覗いているような気持ちで観てしまいます。
ライオンは女を食べないと思いました。食べてもいいとも思いました。私はこの絵を観るとき、あまり考えないですむのです。そんな絵はあまりありません。

ルソーが日曜画家だったことは有名な話ですが、絵に対する距離感が私を安心させるのかもしれません。そのひたむきな眼差しが、ピカソを驚かせたのかもと想像したり。

MOMAは確か新しくなったんですよね。新しい空間にこの絵がどう存在しているんだろう。再会したいな。


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