見出し画像

「おかえり、ブルゴーニュへ」

映画を観る前に監督のインタビューを読むことはしないほうがいいかもしれないのですが、この4年ぶりの新作を語るセドリック・クラピッシュ監督の話がとても心に響いたので、ご紹介したくなりました。

「猫が行方不明」が1996年、「スパニッシュ・ アパートメント」が2002年!時が経つのは早いものですね。
どちらも描かれている人物がチャーミングで、くすりと笑ってしまいながらも温かな気持ちになるいい映画でした。
今年11月公開になった映画は、ブルゴーニュのワイン農家を描いたものだそうです。

最初のnoteの記事でお話ししているのですが、私は長崎に帰ってきて家業を継ぐことに決めました。
「故郷に帰ってくること」と「家業を継ぐこと」は、自分の人生で絶対にないだろうと思っていることでした。「決めました」と書きましたが、自分で決めたという感じがしません。大切なことを決めるときはいつもそうです。「毎回、私は歩み始めるけれど、自分がどこに向かっているのかわからない」という監督の言葉に近い感覚なのかもしれません。

最後に行き着くところはどこかわからなくても、懸命に歩くことはできます。そして、その間の景色や出会う人たちを愛することも可能だと思うのです。インタビューはこう終わっています。

かなりあとになって、自分が良い映画を作ったのか、そうでないのかがわかります。前もって知ることはできないのです。ワインを例にとると、去年通りにやれば、上手に熟成するとは限らない。微妙な事柄や悪天候を考慮に入れながら、喜んで今を受け入れることが必要なのです。どうなるのか、どこに隠れているのかわからなくても、集中して探し続けることです。強烈を求めて急いで物事をしようとするかもしれない。でも辛抱強さが必要です。強烈さを求めながら、辛抱強くなることです。

東京ではもう公開されているようですが、長崎はセントラル劇場で12/28から上映されます。興味のある方はぜひ。

※ヘッダー写真は、公式サイトより

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?