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ここはあまい、もう行かなくちゃ

このところずっとおもうのは、みんな(わたしを含む)自分のことばかりだね、ということ。みんなみんな、自分勝手で、ばかみたい。そんなふうにおもって、朝まで泣いてばかりなんだけれど。思い切って、伝えてみると、ごめんねなんて言われたりして。やさしくいたい。やさしくいたい。ただ、それだけをおもって、生きている。

朝6時に泣きながら話す。まりのさんが寝起きなのに、うんうん、と聞いてくれて、傷ついたんだね、と言ってくれる。そうだ、傷ついたんだ、とわかる。いてくれてよかったと心からおもう。渋谷で長いこと待ちながら、これを書いている。

師匠とおそろい(というか真似をした)香水が、なくなってしまって、持ち歩くお守りの香りものがなくなってしまった。主治医から、テキストで学んだことをきちんとやるようにと言われるので、香りを嗅ぐことは、くるしいときにとても大事な行為なのだった。トムフォードのミニボトルが出ていたので見に行くものの、しっくりくる香りとケースがなくって、松屋銀座をうろうろする。持ち歩ける香りを探す。
「このバニラは、本当なんだ」
そう言われて嗅いでみると、お菓子に使う香りがして、あっこれは偽物じゃないねって笑う。笑っちゃうくらい本当だった。甘い香水はそんなに得意じゃないのだけれど、君が好きだというので、これに決める。君が守ってくれる、わたしの腕、わたしの首筋。パンダのポーチに入れて、わたしのくるしいは、あまくなる。

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