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「国際ロボット展」今年のキーワードは“働き方改革”

●今年のキーワードはロボットで実現する“働き方改革”

●若いエンジニアが発想力を生かしてユニークな開発

●ロボットが真のパートナーになる時代がやってくる

国内外の最新のロボット技術が2年に1度一堂に会する「2019国際ロボット展」が東京ビッグサイト(東京・江東区)で12月18日から開催された。注目されたのは今回もAI=人工知能とロボットの融合だ。さらに、高性能のセンサー技術を使うことで、精密かつ高速で作業を行う技術が多数、披露された。

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●今年のキーワードはロボットで実現する“働き方改革”

今年の「国際ロボット展」には国内外の637の企業と団体が出展、過去最大規模となった。会場も東京ビッグサイトの西・南ホールに加え、本館から離れた青海ホールも使われ、産業用ロボットからサービスロボット、それにシステムインテグレータが展示された。

サービスロボットの中で目を引いたのは、今年もアシストスーツ型のロボットだ。少子高齢化で労働人口の減少が危惧される中、肉体労働ので負担を軽減するロボット技術は必需のものとなっている。この分野は機械メーカーに限らず、大学の研究室が起業したベンチャーなど、開発の裾野は広がっている。ジャケットのような装置を身につけるだけで、モーターなどが駆動し、荷物の持ち上げや持ち下げの際にかかる腰などへの負担を軽減してくれる。女性や若い世代を意識したのか、デザインにも気を遣った製品が目についた。このアシストスーツの開発と販売・リース競争は今後も続くだろう。

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●若いエンジニアが発想力を生かしてユニークな開発

若い世代のエンジニアならではのユニークな発想のロボットが多数、出展されている。北九州工業高等専門学校のベンチャー企業「Next Technology」は「におい計測犬型ロボットはなちゃん」を出展した。娘から“お父さん臭い”と言われるのと違って、かわいい犬が臭いを感知すると倒れるというもの。企業人では思いつかないアイデアだろう。また、薬剤師が作ったベンチャーが開発した高齢者向けの見守り機能付き服薬支援ロボットもあった。この「FUKU助」は内部に4種類の薬や薬包を1か月分収納することができ、服薬の時間になると知らせてくれる。スマホを使って離れた家族も、きちんと薬を飲んでいるかを確認できるという。(写真はHPとチラシから)

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●ロボットが真のパートナーになる時代がやってくる

ロボットという語源はチェコ語で労働を意味する「ロボタ(Robota)」から来ていると言われる。製造現場では、ロボットが人間に代わって労働してくれている。今や、ロボットなしでは世界の物作りは成り立たない。そんな中で、今回の展示で人気を集めていたのがオムロンの卓球ロボット「フェルフェウス」だ。プレーヤーがボールを打ち込むと、動きを正確に捉えて打ち返してくれる。練習などでラリーの相手をしてもらう分には十分、楽しむことができる。ここにも高精度のセンサーとAI技術が使われている。また、製造現場だけでなく、飲食店などで注文を聞いて商品を運んでくれるロボットも多く出店されていた。人間とロボットが同じ職場で働くパートナーとして共存する時代はすぐそこまで来ていると感じた。(写真はHPから)



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