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“スガノミクス”なるもの 菅総理が掲げる携帯値下げや地銀再編の行方は・・・

○「国民のために働く内閣」衆院解散は?
「せっかく総理大臣になるからには仕事をしたい」自民党・総裁に選出されたあと菅総理は朗らかな表情でこう述べた。早期解散はあるのか?という質問に対して、「コロナが完全に下火にならないと」「収束したらすぐ解散するということでもない」などと早期解散には慎重ともとれる発言があった。その一方で「(衆議院の任期まで)あと1年しかないので、衆議院解散の時期は悩ましい」とも述べている。当初は安倍路線を継承する以上“居抜き内閣”にして支持率の高い間に早期解散するのではという見方が強かった。解散については永田町の常識では「嘘をついていい」というが、この発言を聞く限り早期解散はないと考えるのが普通だろう。

○“スガノミクス”目玉は携帯料金引き下げ
菅総理は就任後の会見でも携帯電話料金について国民の感覚から大きくかけ離れた数多くの当たり前のこと」の一例として「国民の財産の電波の提供を受け、携帯電話の大手3社が9割の寡占状態を長年にわたり維持して世界でも高い料金で20%もの営業利益を上げ続けている」と名指しで批判。確かに私の家でも私と妻、2人の子供の4人で携帯を利用しているが、家族割引を適用しても携帯電話料金は通話料(かけ放題)とパケット代で1人約8000円。4人で合計3万2000円になる。これは月々の家計の中でも支払額としては突出している。しかし、今や携帯は多くの人にとって必需品だ。この利用料を引き下げるという菅総理の“公約”は間違いなく国民受けするだろう。各社の世論調査(18日)でも内閣支持率はTBS・毎日64%、朝日65%、日経74%、それに共同通信66%と最近の歴代の内閣発足時と比べると高支持率だ。

○地方銀行の再編と中小企業の経営強化
「働く内閣」を目指す菅総理が力を入れようとしているのが、地方銀行の再編と中小企業の経営強化だ。コロナ禍で業績がさらに悪化する企業が多い中、菅総理が目指そうとしているのは何なのか。再編というと聞こえはいいが、合併・買収には必ずリストラを伴う。「アベノミクスは大企業優遇政策」と批判されたが、地方銀行や中小企業が再生の見込みのないとして淘汰されるだけでは地方の活性化とは言えない。冷静さが評価される菅氏だが冷徹にはなって欲しくない。消費税についても「少子高齢化で人口減少は避けられない。将来的なことを考えたら行政改革を徹底した上で、国民にお願いして消費税は引き上げざるを得ない」と述べた。その後の発言では今後10年程度は引き上げない考えを示した。その先の引き上げはやむを得ないということなのだろうか。「国民のために働く内閣」を標榜する菅政権には、まずは少子化に歯止めをかけるための施作を進めて欲しい。それこそが地方だけでなく国全体の活性化につながるのではないだろうか。 

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