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本日退職される保育園の先生へ

3月末、このタイミングで退職をされる方も多いのではないでしょうか。

娘の通う保育園の担任の先生3名が全員(!)、3月末で退職されることを知らされたのは、最終日の4日前でした。全部で、6名の先生方がこのタイミングで退職されるようです。

今日も今日とて延長保育予定で、本日、最終日のお迎え時に担任の先生とはお話ができない可能性が高いので、さきほど朝の送りのときに、一言程度ですが感謝の気持ちをお伝えしてきました。朝はバタバタしてますし。

そんなに大きな園でもないのに、この人数でのまとまった退職となると、保育園の内部で何かあったのだろうなと想像しますし
子どもを預ける親としては心配がないわけではありません。

ご事情はわからないのですが、先生方のご決断を、わたしは心から応援しているこということを、どうしても伝えたく、ちゃんと丁寧に伝えられなかったことがとても心残りで。
ここに書くことで直接ご本人に届かないとわかりつつも、もし、同じような状況の方がいらっしゃったら間接的にでも、伝わるかもしれないと思って、
「退職される先生へ」というタイトルでここにメッセージを書いておきます。
もしかして、これは、数ヶ月前のわたし自身、今まさに同じような状況の別のかた、数年後の娘への願いみたいなものかもしれません。

***

わたしも職種は違えど仕事をする者として
そして、職場を変える決断をした者として
退職される先生に心から思うのは
ないよりも、ご自身の人生を大事になさってほしいということです。

目に涙を浮かべて、「辞めるんです」とご報告くださった先生。
きっと、たくさんの葛藤があった上での決断だったと思います。

保育園では、進級の際に複数人の担任のうち、どなたか一人が持ち上がり、継続して子どもの成長をケアしてくださることが多いと聞いています。
今回、担任の先生が全員退職されるということで、まだ幼い子どもたちが動揺し、不安になることを、親も想像するのですが、先生方が想像しなかったことはないはずです。子どもに真摯に向き合ってくださる様子は、日々のやりとりのなかで感じていました。

娘は朝の挨拶がぜんぜんできない子です。
「おはよう」が誰にも言えないんです。
わたしは積極的におはようございます! おはよう!と周囲にあいさつしつつ
娘にも促すのですが、どうしても言えません。
面談で、先生に相談したことがあります。挨拶できなくて、すみません、大丈夫でしょうか?と。
先生は、「わかります。わたしも挨拶苦手で、恥ずかしい気持ちわかるんです」と言ってくださり。
そのときわたしは「そのうちできるようになりますよ」とか「こちらでも気をつけて声をかけていきますね」のその前に、何よりも第一声で娘の気持ちに共感してくださったことが本当にありがたいなと思いました。

そんな先生方ですから、退職にあたり、誰よりも胸を痛めながら決断されたのだろうと、もしかしてわたしの妄想や理想論かもしれないけれど、そう感じます。

もしも、自分のことと同じくらい、子どものことも考えてくださったのなら
責任を感じてくださっているのなら
こんなにありがたいことはありません。

しかし、一番大事なのは、自分自身の人生。
先生ご本人が、ご自身の人生を考えて決断されたことが
最も尊いことです。
わたしにも子どもにも、新しい環境で、新しい出会いが待っています。
誰か特定の個人に、他人の人生は依存しない。
だから、先生も、ご自身の人生を一番に考えて、新しいステージを満喫してほしいなあ。満喫できるといいなあと、遠くから応援させてください。

***

ここからはわたしの個人的な経験の話です。
在職中、「本当はすぐにでも退職したい。でも一緒に働いている人は大好きだし、迷惑をかけたくなくて、もう少し我慢したほうがいいかなと迷ってる」と、信頼できる先輩に、漏らしたことがあります。
そのとき、その方に「それは、その誰かに迷惑かけたくないって気持ちを人質にとられているようなものだよ」と言われ、めちゃくちゃびっくりしました。その発想なさすぎて。

わたしがいなくなると、もしかして多少は困ることもあるかもしれないし、寂しいと思ってくれる方もいるかもしれない。でもそれは、一部はわたしの思い込みで、わたしの人生が会社や他人にそこまで大きな影響は与えられないのです。気持ちを人質にとられたような妄想で動けなくなり、今日を我慢することに何の意味があるのだろうとわたしはそのとき考えました。

だから、「綺麗事」で、わたしたちは大丈夫だから、あなたの人生を応援するね、とエールを送っているわけではなく、実際に、わたしたちは大丈夫なんです。それと同時に、自分自身も、他人の人生や環境に対して勝手に責任を負いすぎる必要はなく、自分の人生をいちばんに考えることが、結局は誰かの大事な人生を尊重することにもつながるのだと、わたしは退職にまつわる一連の経験から感じています。

わたしの気持ちは、誰にも人質にとられてなんかいない!
”妄想の人質”を自分のもとに取り戻せてよかったな。

***

というわけで、わたしは、
子どもの親としてではなく、同じ職業人として、
先生のこれからの新しいステージを、心から応援しています。

先生のこれまでのお仕事に心からリスペクトをして
感謝とともにエールを送ります!
ありがとうございました!
先生も、どこかで、頑張ってくださいね!
わたしも頑張ります!



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