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退職への背中を押した、人差し指

シェアオフィスを借りています。
退職した理由はいくつかあるのですが、背中をおしたきっかけは、このシェアオフィスとの出会いでした。

2019年4月末。今日もつらかったなあ、という夜に、布団の中で、泣きながら何の気なしに
「シェアオフィス 二子玉川」
と検索して見つけたのが今のシェアオフィスです。
辞めるとはっきり決めていないのに、なんで調べたのか謎。とにかく、働かない頭で無意識に人差し指がそう動いたという感じなんです。

   自転車でも通える距離の二子玉川に素敵シェアオフィスがある、
   あれ、代官山にも系列のところがある。代官山も通えなくはない距離だな
   二子玉川は空きないけど、代官山のほうは空きがありそうかも
   よし、やめるとか決めてないけどとりあえず2件とも内覧を申し込もう
   ぽちっ

この3分の思考がわたしの人生を変えたのかもしれません。

翌週、会社を半休して内覧したとき、わたしは直感的に、ここで働こうと思いました。そこにいる人たちが作り出す「好きでこの仕事をしています」「自分で選んでこの場所に来ています」という空気感がとても心地よかったのです。オフィスの空気がめちゃくちゃ澄んでいて、吸い込めばそれを吐くだけで自然とやりたいこととか新しいアイディアが湧いて生まれてくる感覚が不思議で不思議で。
わたしは、その日、その足で入った二子玉のカフェで、自分のライフワークにしたいテーマを見つけて、誰に見せるでもない、自分の胸にしまうための企画を書きました。
そして、その夜、空きがあると聞いた代官山の方に申し込みの意思を伝えるメールをしました。

それ以来、どこの場所で暮らすか、その環境が人の心や行動に影響を与えるというのをけっこう本気で信じるようになりました。暮らす場所、どこでもよくない。

もう詳細は忘れてしまったけれど、
その週にあった面談で、課長に辞意を伝えたと思います。
そのさらに翌週だったかな、部長にも伝えて
そのときには「わたし、もうシェアオフィス契約しちゃったんです」と言って驚かれた気がします。
「本当にやめちゃうのね? 考えを改めてはくれないのね?」というお決まりであろう引き留めセリフに、全力で「はい」と答えられたのは、わたしには明確に働きたい場所が用意できていたから。
何をやるとか、どうやって収入を得るとかはまったく無計画だったけど、とにかく場所を準備してしまったのでした。計画性はないです。
勝手に動いた人差し指に導かれるまま。

人事異動のタイミング、組織改変のタイミングでないと辞めると言ってはいけないと強く自分に言い聞かせていたのに、決めたらあとはびっくりするくらい早かった。

思えば、組織改変のタイミングまで待たねばならぬという決まりはなく、勇気の出ないわたしの言い訳に使い続け、ずるずるもう1年もう1年ってひっぱっていただけな気がします。「退職のタイミングを決めるのはあなたに与えられた権利でもある」。期中の退職を決めて迷惑をかけてしまうことを気にしていたわたしに、かつての上司がそう教えてくれました。


決めれば簡単だった。

動けばすぐに始まった。


あの頃の動けないわたしに、わたしはそう伝えたいなと思っています。






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