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ダイアモンド世代 と敢えて言ってみて起きたこと

このところ日々のしょうもないつぶやきを書いてみているんだけど、その中で使っている「ダイアモンド世代」という言葉について、今日はちょっと書く。

2020年、干支がぐるっと回って私は還暦になった。

「還暦」というのは子供の頃から、おじいちゃんおばあちゃんになるということだと思っていて、赤いちゃんちゃんこを着て、もういつ死んでもいいようになった人のことを言うのだ、と思ってた。
それから時が進んで、団塊の世代というどえらく元気のいい時代の人達が、人生死ぬまで現役、若いものには負けないからねと、走るわ踊るわ、創るは働くわで、日本人の平均寿命はあれよあれよという間に80歳を超えた。還暦なんて、まだまだ死なねー。長生きする人は、生まれてから成人式迎えるぐらいまでの時間を、還暦から生きるんじゃ。すげー。

昔は60歳が定年だったから、還暦を迎えたらお祝いをして現役から退いて、隠居したり孫の世話したりのんびり第二の人生を暮らすことになっていたけど、今じゃ年金は65歳からしかもらえず、さらに70過ぎても働けなどと言われとる。人が若く元気になったとも言えるけど、社会は過酷になった。時代が、猛スピードで過ぎている。
こうして還暦というイメージはだんだんと形を変えて、アラフォー、アラフィフの次に「アラカン」という言葉までできちゃった。

なんで60になった途端、フォーとかフィフではなくカンなのか、とも思うけど、アラウンドシックスティだと、アラシック(病気)とか、アラシス(死す)とかになって、縁起の悪い言葉しか作れなかったからなのかもしれない。

それにしても、アラカンって。
嵐寛寿郎とか荒木勘十郎じゃあるめーし(って、なんで私こんな人たちのこと知ってるのかしら)。


という、昔の60歳と、今の60歳との間で人生を紡いできた自分には、「還暦」とか「アラカン」という言葉がうまく自分と合致しない。

干支が一周りして、新しい時代が始まるという考え方はとても素敵だと思うけれど、自分を「還暦なんですよー」とか「アラカンです」と自称するのは、なんか自分と世間との間にちぐはぐ感を感じてしまうんだった。

若く見られたいとか、年齢を言いたくないってことではぜんぜんないのですよ。私は胸を張って自分の年令を言う。

でも60歳になりました、と伝えたら「あら、還暦ですね」と言われるのも、「ああ、もう還暦になったんだなあ」としみじみするのも、なんかしっくりこないんだった。

感慨深い特別な年齢になって、これから先の10年のことを考えると、プラスマイナス両面の出来事含めて、ああ、なんか新しい人生の局面に立っているんだなあという予感じみたものは、ある。

なので、この日記ではそういうことを書き留めておきたいなあと思ったんだけど、そのタイトルが
アラカン日記 とか
還暦おばさんのひとりごと なんぞにすると
もう、どんなにいろいろ考えても自虐ネタみたいにしか見えなくなっていくわけで、ああ、言葉って、言葉って本当におもろで難しいと思うんだった。

Around 60's という言葉も考えたけれど、いやあ、これもかなり痛々しいよ。そこはかとなくバブル世代っぽい。昔のHanako世代がそのままクウネル世代に移行したような。ブルッ。

それで、ダイアモンド世代という言葉を無理くり引っ張り出してきたわけですわ。

アメリカでは60歳の誕生日をDiamond Birthdayと称してお祝いするのよね。(んでも、これは60が特別なわけじゃなくて、50歳でも70歳でも、0がつく節目の誕生日は大きなお祝いをする。特に50歳はおおがかりな誕生日パーティがあるんだそうで。)

だから、今の自分はダイアモンド世代ってことにしておけば、いいんじゃないの? って思うわけなんだった。

60年間、削って磨いてやっとダイアモンドの輝きが出るお年頃。

そっから先、70とか80になったら、また勝手にプラチナとかクリスタルとか言っときゃいいわ、と。クリスタル世代なんて、もうあの世との境目ない感じでとてもええ。ちょうど20年後に80になれば、20代で「なんとなくクリスタル」を読んだ なんクリ世代が、まぢにクリスタル世代に突入することになる。タイミングもばっちりだ。ああ、どんどん脱線していく。

もとい。

そうして、自分で自分のことを「ダイアモンド世代」と自称しだしたら、なんか世界がちょっとだけ、変わっていく気がしてる。なんか不思議。

還暦という素敵な文化もリスペクトしつつ。

社会と自分との折り合いは、「ダイアモンド世代」ってところでしばらくは行ってみようかなと思う私でした。
今年のマイ流行語大賞にしとこ。

ではまた。


余談ですが、タイトルの写真をnoteで写真を配布している方々のものを使わせてもらうことにしたら、相互交流みたいな感じがあって、これも新しい感じで楽しいです。ありがとうございます。

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