サックスを手にするまで その2
【家の敷地の片隅で、野菜を育てています。お店で売っているような綺麗な赤いトマトではありませんが、自然な甘さで少し野性味を感じます。】
「絶対にこの楽器のプロになる!」
姉のラジカセから聴こえてきたデュランデュラン。すっかり虜になった僕はレコードを借りてきては、テープにダビングしたり、写真集を買い漁ったり、ポスターを手に入れ、部屋にベタベタ貼ったりと見事なハマりっぷり。
ポスターの中でニック(キーボードの人)が着ていたジャンパーが、もの凄く格好良くって。ニチイ(近所のスーパー)に同じような形のジャンパー見つけて買ってみたけど、全くニックにはなれなかったなぁ…
そんな中、幼少の頃から息子の様に可愛がってくれている、従姉妹のおばさんが、誕生日にデュランデュランのライブビデオをプレゼントしてくれました。当時VHSのビデオは高価で喉から手が出る程欲しかった物でした。
貰ったビデオを見てみると、そこには動くデュランデュランが❗当時You Tubeなんて物はもちろん無く、好きなミュージシャンのライブ映像を見ることは難しい状況でした。
感激しながら見ていると、見慣れない楽器が出て来ました。それは「リオ」と言う曲の間奏部分。
あのカッコいい音の正体が、ついに僕の目の前に現れました。興奮して母親を呼びます。
僕「お母さん、これなんて楽器!?」
母「サックスかなぁー?」
僕「決めた!俺これのプロになるよ!」
デュランデュランの曲にはいくつかサックスをフューチャーした曲があります。映像を見たことの無かった僕は、何の音かは良くわからないけど、この音、めっちゃ格好良い!と思って聴いていました。
そして初めてサックスの映像をみた僕は、雷を撃たれたように衝撃をうけました。楽器自体の格好良さもありますが、何よりアマタに血管浮き出しながら全身全霊で吹いている様が、バワフルな音と完全に一致していて、更に音に魅力が増して聴こえました。
この楽器は頑張っていい音出す楽器。頑張らないと良い音が出ない楽器。
映像を見てそう確信した僕は、この楽器、最高すぎる、と感じたのでした。
伊澤隆嗣オフィシャルサイト http://izawasax.com/
YouTube 田舎暮らしサックスプレーヤー伊澤隆嗣で動画もあげています!
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