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痴漢、それは暴力

痴漢、それは暴力。
予告なく身体を掴んだり、後々言及された際に「触った」のでなく「ぶつかっただけ」と言い訳できる強さでの接触は、突然肩パンされるのと変わらない。そのせいでそれが痴漢行為だったと気付くのは恐怖と震えが落ち着いた数分後だったりする。地方・都会・屋内外問わず奴らは存在する。まじで予告なく触れた者の手には電流が流れた上で蛍光グリーンに染まって1週間落ちない装置とか発明されないだろうか。どこ行っても「あら、あの人やっちゃったんだ」って絶対にバレるやつ。発明より先に滅びればいいんだけど、いるからさ。

ある日フレッシュに蘇った数年前のセクハラの嫌な思い出を夫に話したことがある。
一人でランチに行った店で、隣のテーブルの男性が女性店員を横に立たせ延々と猥褻な言葉を浴びせ続け(本人的には「ユーモア」らしくにやにやしていた)、帰り際「おっとっと」とふらついたふりをして私の膝に座ってきた。滅びればいいのに。
ただ、私も早めに声を掛けるなどあの店員さんをあの場から引き離してあげることができたんじゃないかとか、その場合矛先はこっちに向くから店出るしかないのかとか、注文の品が来る前も後も何度も帰りたくなったけどそれも我慢すべきじゃなかったのではないかとか、正直去り際に肩ぐらい触ってきそうだとは予測していて避けようと思ってたのにそれを上回って座られた悔しさとか、お店側は女性店員をあの場から下げられなかったのかとか、仮にあの男性がお得意さんであったとしてももうご来店お断りしていいんじゃないかとか、何年経っても考えてしまうのだ。
それを聞いてしばらく考えて夫は言った。
「そこは…女性だけの特権と言うとあれだけど、“悲鳴”じゃない?悲鳴っていろんな情報含んでるじゃない?」
ほう。なるほど、その手もあるか。
私はキャーとか言うタイプではないが、非常事態であることは伝わるよな。いざとなったらそれくらいの悲鳴出せるように練習しとくか…と思いかけて冷静になった。
そんなこと練習さすな。するな。
普通にそんなことアウトな世の中であれ。

先日、暴漢に襲われた大学教授が身近な人たちに「なぜ悲鳴をあげなかったのか」と言われたという記事を読んで、ああ突然の暴力の前では男性でも同じなんだと思った。
咄嗟に悲鳴は出ない。
悲鳴をあげている間は周囲の情報が入ってこないし余計に危険にもなるし。何が起きたか分からないうちに悲鳴など出ないことに性差はないのだ。

逆上されて逆恨みされる事態は避けたい。こちらの品位を下げる行動もしたくない。
というわけで、電流が流れた上で自動的にカラーボールくらいの色がついてほしい。


ビリビリ&着色

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