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会議の進め方やアジェンダを問いで提示する

会議のテーマや議題を問いの形で提示し、会議が「どう終わるのか」を明示したり、会議が向かうべき方向を明らかにしたりするというお話をしました。

今日は、その続きとして「会議の進め方やアジェンダを問いで提示する」ことについて説明します。

おさらい:会議の議題を問いで示す

例えば、マンションの自治会での「今後の大規模修繕について」という会議なら「今後の大規模修繕で、インフラ保全と外観修復のどちらを優先すべきか?」が全体の問いとなります。

会議を進めるのには、これで十分?

ただし、いきなり優先順位についての話し合いがスタートできるわけではないですから、会議をスムーズに進めるために、進め方やアジェンダとして分割された問いを提示し、その結論に到るための道筋も示しておくほうがよいでしょう。

「今日は、インフラ保全と外観修復のどちらを優先して取り組めばよいのか、皆さんのご意見を聞きたいと思います。そのため、まずこのマンションと同じ築35年くらいの一般的な劣化傾向のデータをお見せして、次に……」と司会者が説明する内容なら、分割された問いの1つ目は「築35年のマンションでは、何がどのくらい劣化しているのか?」などとなります。この問いは、単に提供されるものがどのような情報なのかを指し示しています。

意見を聞くための分割された問いの2つ目として「インフラや外観について、最近困ったり、不満に思ったりしていることは何か?」などが必要になるでしょう。

さらに次に、インフラ保全や外観修復についての一般的な費用について再び情報提供が行われるなら、3つ目は「インフラ保全や外観修復を行うためには、どのくらいの費用が必要なのか?」となります。

全体の問い「議題」を、分割された問いにする

つまり、「今後の大規模修繕で、インフラ保全と外観修復のどちらを優先すべきか?」という全体の問いに対して「築35年のマンションでは、何がどのくらい劣化しているのか?」「インフラや外観について、最近困ったり、不満に思ったりしていることは何か?」「インフラ保全や外観修復を行うためには、どのくらいの費用が必要なのか?」が分割された問いになるということです。

分割された問い(アジェンダ)がないとどうなる?

これが「今後の大規模修繕について」とだけ提示され、進め方の説明もないまま、築35年のマンションの劣化度合いについて、一般的な傾向などのデータを見せられるところから話がスタートしてしまったらどうでしょうか?

参加者は、自分がなぜここにいるのか、疑問を抱えたまま参加をすることになるでしょう。なぜなら、参加者は今後の大規模修繕の内容とスケジュールについて聞かされるだけなのか、ガス・電気といったインフラの保全と外観の修復のどちらを優先したいかの検討をするのか、10年くらい後にやってくる大規模修繕に備えて毎月の積立金が値上がりすることを了承するか否かの判断を求められるのか、全くわからないからです。


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