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【鑑賞日記】八月納涼歌舞伎を観に行った

八月納涼歌舞伎 第三部 狐花 葉不見冥府路行 @歌舞伎座

久しぶりの”歌舞伎座”で観る歌舞伎です。自分、新作歌舞伎好きだから。

さて。今回の演目、京極夏彦作品ということで期待も膨らみに膨らんでおりまして気合も入るってもんです。というわけで久しぶりに本気の一階席を取りました。
はい、それだけの価値はありました。いやあ面白かったです。

正味2時間半ほどの2幕構成の演目で、歌舞伎としては若干短めに仕上がっていました。

第一幕での物語は序、第二幕の物語は破・急といった構成でいいのかな。いや、第二幕での物語の展開とたたみかたからすると、第一幕では謎の提示、第二幕ではその解決パートというミステリ的分割展開なのかも。

実は第一幕で少々物語的にわからないところがあり、休憩時間中に筋書きに目を通してしまったのです。
その結果、第一幕で仕掛けられたミスリードを誘う手がかりの真相まで読んでしまい、これはなんともなんとも勿体ないことをしてしまったことよと、内心後悔をしたのですが。
しかも第一幕でわからなかったポイントも仕掛けだったんだよ。

なんでも明解にわかっていたいという考えはよくないなあ。この世に不思議なことなど何もないかもしれないけれど、それを知ることが最適解ではないのだよ。なんてね。

歌舞伎演目としてみると会話劇的要素がとても強く、というよりも脚本のセリフがかなり多く、役者の動きや大仕掛けで魅せるケレン味はそんなに多くはなかったかなあ。
ただ一面の曼珠沙華咲く舞台は奇しくも綺麗でしたね。

物語に対して感じたのは、信田の家系の父親像がみえてこないことでしょうか。母親に対する視座は登場人物のセリフに頻繁に出てくるのに比してあまりにも少ない。
これって信太狐のメタファーがあって意図的に父親の存在を消したのでしょうか。中禪寺洲齋の物語を読めばわかるのでしょうか。

ともあれ思い返せば実に京極夏彦的な物語だったなあ。


八月納涼歌舞伎 第二部 艶紅曙接拙 紅翫

この日は時間があったので、当初は予定のなかった第二部の第三幕、舞踊劇を一幕見しました。

一幕見も久しぶり、というか今の歌舞伎座になってからははじめてかも。

コロナ禍を経てからなのか、席は座席指定型に変わっていました。
コロナ禍対応というよりもインバウンド対策なのかもしれません。実際にまわりの観客は外国人がめちゃくちゃ多かった。楽しんでもらえているようでなによりです。

で。肝心の演目ですが、歌舞伎の舞踊は、まだ自分にはハードルが高いなあと思いました。見どころのツボがまだつかめていないみたいです。

日本舞踊の公演も何度か鑑賞していますが、まだまだ堪能できたとはいえない領域ですね。もう少し経験値を積んでいこうと思います。

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