言葉が身になるまでの距離
3年ほど前から読書にはまり、「ビジネス書」や「自己啓発」といった類の本を読むことが増えた。読む人に比べればそんなに多くないけれど、二週間に1~2冊のゆるいペースで読書を続けている。
ビジネス書で経営者や、成功者(成功者の定義はわからない)が言うのは、PDCAサイクルだったり、スピードの速さだったり、失敗は成功であるとか、ポジティブな考えかたがどんどん入ってくる。
本を読んだ瞬間は「これで明日から…できる人間になれる!!!」なんて、できる人間になったかの気になっていた。
すっかり、なっているが、数日経って会社ではポンコツのミスをしたり、小心者のネガティブ野郎になっていたりする。
最近はそんな「ビジネス書」を読むのが苦しくなっている。哲学者の言葉も、事業家の言葉も…ホリエモンの言葉も...
メットライフ生命の会長の岩瀬大輔さんの「入社1年目の教科書」を読んだときの感覚に似ている。大学4年生の内定者時代に読んだ本だけど、「こんなに、日々めまぐるしいの...大変そう...」と、ドン引きした覚えがある。でも、書かされた感想文には「こんなふうになりたい!」と無理して夢を綴った。入社当時はそんな「できる自分」を夢見てなぞって生きていた。(でも実際、入社後に岩瀬さんの「50点でもいいから早く出せ!」の言葉を守りとても身になりました。)
どうして苦しいのかって、学ばない自分、いつまでも変わらない自分にうんざりしてくるから。
あと、人の成功例をなぞっても関係ないのかもしれない、と思い始めているから。人の成功例使ってうまくいっちゃった自分には自信が持てない。だってわたしじゃなくてその成功例がすごくて、真似しただけだし...って思ってしまう。
今場所優勝した高景勝がかっこいいな、と思う。いつもふてぶてしい表情をしながら、ぶっきらぼうに答えるけれど、インタビューのなかで他の力士と比較した言葉を出したことがないのではないかと思う。22歳であんなに強い心をもっていることが尊敬する。
ただ口で言うことが実感になったり行動になったり、身に着けるということはすごくむずかしい。わたしは自分が思っている以上にずっと頑固であって言葉と身体のなかにずいぶんと距離を感じる。
記事、ご覧いただきありがとうございます。とんでもない恐縮ですがサポートの窓口をつくりました。カフェ開業に向けて、使わせていただきます。お返しできるよう、がんばります。