自分の思いを文章にすること


前の記事にも書いたように、作文が思うように書けずに悩んでいた私ですが、今はなんとか自分の考えを文章で表現出来るようになるまで、小さな積み重ねがあったのだと思います。

中学時代は場面緘黙症の症状は大分なくなり、徐々にクラスメイトとの会話も増えて来ました。ハイテンションで騒いだり仲良しグループに入ったりすることは苦手だったものの、自分の言いたいことをハッキリ言う場面も増えて来ました。私の言い方がぶっきらぼうな所もあり、言い方がキツいと言われることも時々ありました。良くも悪くも、自分の言いたいことを言えるようになっていき、それが文章を書くという手段にも対応出来るようになっていったように思います。

高校2年生の夏休みの課題だった読書感想文では、映画評論家の淀川長治さんの著書を元に、人生の今という時間を大切に生きたい、部活の先輩と過ごせる時間もあと僅かなので大切にしたい、と言った内容の感想文を書きました。すると、後日校内の読書感想文の優秀賞に選ばれたのです。誰かの真似でも報告書でもなく、心から私が思ったことを文章で表現できた初めての経験でした。長い間作文で苦しんで来ましたが、一つ大きな壁を乗り越えた気がして嬉しかったことを覚えています。

大学に入学し、レポートを書くことで文章力を磨いたり、23歳の頃に当時流行っていたSNSであるmixi(ミクシイ)を始めて、下らない日常のことも日記に書いてマイミクさんにコメントをもらって(mixiを知らない、馴染みない方ごめんなさい)感じたことなどをどう文章にするか考えて、コメントの返信をしていきました。SNS上でコミュニケーションを取ることで、顔が見えない相手にどう伝えたら適切かをよく考えるようになりました。私とは年齢や職業、住んでいる地域が異なる方々とも縁あってマイミクになり、文章のやり取りで様々なことを学びました。気がつけば、学生時代の同級生の友人より(今でも付き合いのある同級生が極めて少ないですが)SNSで知り合い、文章のやり取りした上で直接対面した友人が多くなりました。

場面緘黙症で、学校で一言も話せない上に作文も大の苦手だった私。この記事をまとめるのにも1時間位かかってしまいました。他人よりゆっくり、少しずつですが自分の思いを文章にする力を付けて来たということに、達成感を感じています。

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