今が話せるんだから、それで良いじゃん、ではないと思う。

私が20歳位?の学生時代に、同級生に昔私が学校で一言も話せなかったこと、場面緘黙症という名前の症状だったことを話したことがあります。するとその同級生は、『今はもう
話せるんだから、もう過去のこと考えなくても良いじゃん』と言ってきたのです。

私はそう言われたことに対し、特に言い返したりしませんでしたが、『それって何か違うな』と感じました。その同級生は、表面しか見てないのではないかな、過去の私があって今の私があることを理解していないのかな、と思いました。

何も、場面緘黙症だった過去のことだけ考えて今を生きているのではないし、それに囚われずに生きることは大事だと思います。緘黙に囚われず、仕事を頑張ったり趣味を楽しんだりしています。

誰だって、過去の積み重ねがあって現在があり、現在の積み重ねがあって将来があります。 現在と過去が全く無関係ではないのです。場面緘黙症だった過去の自分があったからこそ、場面緘黙症だった友人が出来たし共感出来ることが多々あり、また自分のことを見つめ直すことも出来ました。

思い出せば学生時代の発達心理学の先生が私に話してくれたことがありました。
『将来とは、ただ時間の先にあるわけではなく過去の積み重ねの結果としてあるからです。今のあなたに必要なことは、過去の自分や現在の自分を見つめることだと思います。自分を見つめ直すことは、辛いことが多いでしょうが、必ずあなたに良い面があるはずです。将来自分が何をしたいのか、どうなりたいのか、ぜひ考えて下さい。』

その言葉をもらい、すぐに私自身が自分のことを理解してやりたいことが見つかったわけではありません。時間はかかりましたが、自分のことを理解し、自分なりの目標を見つけることも出来ました。

過去に囚われず、だからといって過去を無かったことにするのではない。私は、自身が場面緘黙症だったことを普段職場の人にわざわざ話すことは無いですが、SNS上で発信することで、見た人が場面緘黙症に関心を持ってもらえたら嬉しいな、と思っています。

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