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白浜維詠
2024年2月12日 21:05
第十一章 プラトンの嘆き、英雄と賢者6海の向こうの島国で、インタビューウィズリアルマーリン西暦1920年、オックスフォード。元軍人だというその紳士は取材対象である銀髪の若者の指に一匹の蜘蛛が這い上っているのを見て反射的にのけ反り、がたっ!と音を立てて椅子ごと後ずさった。「おや?蜘蛛は嫌いですか?」長い銀髪を括り、透明に近い灰色の眼をした端麗な顔立ちの若者は右手の人差し指まで上って来