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【ネタバレ感想】PSYCHO-PASSは常守朱の物語だ【PSYCHO-PASS PROVIDENCE】

4月29日にPSYCHO-PASSの新作映画、「劇場版 PSYCHO-PASS PROVIDENCE」の完成披露上映会LVに行ってきた。
これは本公開12日を前に誰にも具体的な感想を言えない私の叫びをここに記した物である。
12日までこの気持ちを誰にも言えず抱えるのマジで嫌。
※ずっと狡噛にキレてるけどPPシリーズのキャラクターみんな大好きなので、でも狡噛が自分勝手な行動をしたのは許せてないので…でも大好きなので…二律背反を抱えて非常に苦しい。PPシリーズ大好きなので許してください。よろしくお願いします。
※本日12日、朝一番の回を見てきたので、29日上映会の感想を投稿するものです。
※29日見た時点での感想なので理解が追いついてないところが多数あります。ご容赦ください。

PPP完成披露上映会の前

鑑賞前、不安でいっぱいだった。心臓がバクバクしていた。
PPPを見たら何をするかわからないので映画館の椅子に縄で縛りつけて欲しかった。

心配ポイントは以下:
①常守は、あるいは宜野座は狡噛を果たして殴るのか?
 →PPPはSS3とPP3期を繋ぐ話だとわかっていたので、キービジュアルとトレーラーを見て、しれっと狡噛が常守の隣に並んでたりしれっと帰ってきてるので「なんで?????????」って白目を剥いていた。
 PP1期は常守が狡噛を先達として、最後は犯罪者と刑事として追う物語。2期も刑事の先達として背中を追う常守のイメージが強かった。劇場版は捕えるべき犯罪者として、やっと狡噛に追いついた。
PPPのキービジュを見る限り、シリーズで初めて常守と狡噛が対等に、背中を預け合える相棒となった感がある。
対等な相棒として二人並び立つには、劇場版で宜野座にぶん殴られて二度と顔を見せるなと言われているのを乗り越える必要があるので、PPPでは常守か狡噛にぶん殴られる「禊」がないと成り立たないじゃん……と思っていた。
 →ぶん殴られるどころか常守からのウルトラ特大メガトンパンチが狡噛に振るわれていたので溜飲が下がった。あんなメガトンパンチ振るわれたら立ち直れない。

②宜野座さんの髪型何? なんでお団子にしてんの? なんで??
 →正直観てる間は(作品が面白すぎて)気にしている場合ではなかったが、舞台挨拶での監督の「宜野座の髪型でいつの映画かわかるから」という発言で笑えなかった。宜野座さんオモチャにすんのやめな!!!!!!!そういうとこほんとに良くないよ!!!!!!
マジで冗談抜きでやめな。
本気で宜野座の髪型に意味つけてるっぽいんだから教えて欲しいよ…。

鑑賞中の情緒が忙しかった

鑑賞の前提:狡噛のことは好きなのだが、それはそれとして、トレーラーを見てから狡噛に対する怒り100:あの社会に対する憎しみが100ぐらいになっている精神状態で観た。
 →そもそもSS3の最後のシーン「帰ろう、日本に」で怒り狂ったタイプなので、その怒りも引き続き胸の中にある。どの面下げて帰るんだよ日本によ。
鑑賞の前提2:楽しみすぎてもはや何の情報も入れたくなくて(?)、過去シリーズを一切見返さずに上映会に臨んだ。
 →結論から言うとSS3とPP3とFIは見たほうがいい。それはそう。

他、感想
・productionIGのロゴが流れてきただけで緊張する
・狡噛!!!!!!!!!!!(やり場のない怒り)
・OPで号泣
 →PPPが無事見れたことによる感激・ありがたみ・感謝による号泣
・PPの世界とはあんま関係ないかもなんですけど、100年後でもお偉方の会議ってこんなおっさんしかおらんのか。絶望した。
・霜月が、慎導父に両腕掴まれてゾッとしている表情、良い
 →霜月の、男性嫌悪の強いキャラクターが滲み出る仕草が好き。彼女は有能な監視官でありながら、激昂しやすく感情を表に表しやすい、尊大な性格であることがわかる立ち居振る舞いが大好き。霜月ほんとに大好き。
・狡噛の開き直っている感じほんと腹立つ、何?
 →狡噛が開き直っているように見えるのは、彼は彼で法のくびきを外れて成すべきことを成したのだから悪いことはしていない、(迷惑をかけたかもしれないしそれは申し訳ないが、)正しいことなのだから恥じることはない、考えているからなのではないかと推察した。
 →確かにそうだけども、私は、PSYCHO-PASSを常守の物語だと考えている。復讐とは一種のロマンチシズムだ。彼のロマンチシズムに常守の物語を巻き取れらるのが嫌だったため、狡噛の行動を詰りたくなってしまう。
・常守と狡噛が会話するシーンであまりの悔しさと憤りのために嗚咽号泣
 →常守の「私が呼んだら帰ってたんですか」「謝って欲しかっただけなんだけどな」で死ぬほどポップコーンの入れ物を握りしめてしまっていた。ほんとそうだよ謝ってくれよ。
・常守また泣いてる、もう泣いてほしくないのになんでなんだよ…ふざけんなよ…こんな社会間違ってる。燃やしちゃおう
・お前が成すべきことをしろって言う狡噛に悔しさと憤りのため泣く。お前が言うな。
・過去作のオマージュとか今までの登場キャラの特技が作中で生かされているのが嬉しすぎた。ありがとう。確かに集大成だ。
・慎導父、もしかして息子のためだけにとんでもないことをしているのではないか? 息子以外はどうなってもいいと思えてしまうような一種の残酷さがある精神の持ち主ではないのか?
・完全にイグナトフ兄弟と舞子は割食ってるじゃない…? 絶対兄貴に、弟のためだからとか言って巻き込んでない? 慎導父のこういうところが、悪意なく人をコマとして動かせてしまうようなところが、雑賀教授や梓澤に敬遠されている理由なんだと察せられるいいキャラクターの配役だった。最悪だあ・・・ 
慎導父、死ぬ時と場所を選ばんかい。
 →と思ったけどシビュラ的にギリギリ待ってあの日あの時間だったのかと思い直した。最悪だあ・・・
・常守の行動がショックすぎる。なんでそんな自己犠牲のようなことをしたのか?
 →自ら手を汚して大義をなすようなタイプではないと思っていたので、まさかの実力行使をしたとことがまだ理解できてない。
 常守は、あの社会の秘密を知った時点で(PP1で)当事者だと思っていた。だから、あの社会におけるあらゆる幸せや可能性を捨ててあんなことをした常守の行動がショックだった。そこまでする価値があの社会にはないのに。
 →常守にとって、あの社会に価値があるかどうかは関係ないのだとと気づいた。生きる人間がいるなら身を挺して、人間による社会運用を続けさせるために問いを投げかけることができる。どうしてだよ・・・?
 →また、ともすればPP1期での狡噛に対する当てつけのような行動に見えるので、それも含めてこの行動をとったことに驚いた。しかし、これは当てつけではなく純粋な正義の発露である。必要だと思ったからその行動をとったにすぎない。その行動を持ってして、狡噛の行いがいかに周りを傷つけたか、狡噛が身をもって知ることになる皮肉な場面。常守が狡噛を直接ぶん殴るシーンはなかったが、この常守からのハイパーウルトラメガトンパンチでかなり溜飲が下がった。もう二度とすんなよ、聞いてるか狡噛。
・常守が最後、雑賀教授が入っていた隔離部屋に入って一人声をあげて泣く場面、胸が引き裂かれそうだった。合わせて嗚咽してしまった。
 →あの世界はもはや常守にとっての安寧の場所ではない。安らぎもない。一人やっと監獄に入ってから泣けるような社会。現在のシビュラシステムでは対応できないイレギュラー事案となって、社会の輪から離脱して初めて安寧を得たのかもしれない。最悪だ・・・

確認したいこと・疑問だったこと

・PPVV2(PSYCHO-PASS Virtue and Vice、PSYCHO-PASSのオリジナル舞台)で、全身義体の男が出てくるが、義体だから血を流して死ぬことはありえないのでは?(全身義体であることは、後付けの設定なので齟齬が生じているのでは?)とファンの中で話題になっていた。
 →今回、禾生局長が常守に撃たれ、血を流していることで、その設定無理じゃないんだと言うことが証明されてしまった。おいおいマジか〜〜〜〜〜〜〜〜〜 

PSYCHO-PASS Virtue and Viceという超おもろい舞台があるので見て欲しい。2作あります。見てくれ。ほんとに面白い。ほんとに面白いんです。
アマプラリンクは以下:(UNEXTにもあります!)
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07SZ8QB9C/ref=atv_dp_share_cu_r

・移民の設定について
ストロンスカヤ博士は日本名がないけど、もしかして、PPの設定では日本国籍を取得すると本来の名前・姓の前に日本名がつくようになっている?
 →もしかして今も日本に帰化するとそうなる仕組みになっている? 要確認。
  →PP3見返したらそうだった。(5/9追記)
  →現在、日本へ帰化すると一定の決まりがあるものの、自由に名前がつけられるそうです。知らなかった。(下記リンク参照)

・「憑依」についての説明がいまいちわからなかった。もう一度確認したい。

・三好達治の「大阿蘇」、今回が初の引用かと思ったらPP3かFIから慎導父が引用しているようですね。気づかなかった。
慎導のメンタルトレースの導入もこの一節からか。要確認。
「大阿蘇」は三好達治の「霾(ばい)」に収録されており、青空文庫リンクは以下。

・ビフロストとかコングレスマンって結局なんだったんだっけ!? PP3要確認。
 →PPPを見る前、少なくともSS3とPP3は見返したほうがいい。絶対に。

PSYCHO-PASSは常守の物語だった、そして

PSYCHO-PASSは常守朱の物語だった。彼女はあの社会の番人として成長した。そして当事者となるべく、あらゆる幸せを捨てて自らを火にくべてしまった。
彼女の物語は、PP3の主人公である慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフに引き継がれた。
PP3で主人公が変わってしまって、いまいちピンと来ていない自分がいた。
でも、PPPはSS3とPP3の間を埋める物語としてメチャクチャに面白かった。もう常守から物語のバトンが慎導たちに渡されたのだとはっきり理解せざるを得なかった。彼らを新しい主人公として受け入れる心づもりができた。
PP4期が観たい。まだ解決してないこと、たくさんあるから! 終わらせないでほしい。

総括

PSYCHO-PASSが刺さるタイプのオタクでよかった。PSYCHO-PASSはやっぱりおもしれ〜〜〜〜〜!!!!!!!! ほんと面白い。
PPPあと5回は見る。

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