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第2回 薬剤師 起業の道 プレゼン編

私はとある調剤薬局グループで執行役員をしております。
そんなただの薬剤師でしたが2022/06/06に起業をいたしました!
会社の名前は「株式会社イヤクル」です!

⇩第1回の記事はこちら⇩

今回のテーマは薬剤師をやりながら起業した道のりを記事にしていきたいと思います。
第2回は「プレゼン編」
起業ってこんな感じなんだ!と興味がある人は是非とも読んでいただけると嬉しく思います。


無事に事業計画書とプレゼン用パワーポイントの準備が終わった私は、社長にメールを送りお時間をいただくことができました。
対面した時の社長は若干緊張した面持ちでした。
それもそのはず、当社の執行役員から急に時間を貰えないか?なんて連絡がきたら「いったい何事だろう・・・」と構えるのも無理はありません(笑)
まずは「退職したいとか、お金を貸してほしいとかそういった話ではございません。この会社を愛しておりますので(笑)」と伝えました。
すると社長も安心したのか「それなら他にどんな話なのさ笑」と笑っていました。
さて、場も和んだところで本題へ・・・

「やりたいことが出来ました」

第一声は素直にそう伝えました。
社長は「ふむ。話してくれ」と一言。
そこから私のプレゼンは始まりました!

日本の廃棄医薬品の現状、我が社での不動在庫や廃棄医薬品を削減する取り組みで学んだ経験や気付き、世の中にあるサービスへの不満、調剤薬局同士が繋がるプラットフォーム、「メルカリ」のような調剤薬局向けのサービス、ビジネスプランのニーズと収益性、なにより日本から廃棄医薬品を無くしたいという熱い思い・・・我が社でこのビジネスをやることは出来ないか!?

思いのたけをパワーポイントの資料と一緒にぶつけたと思います。
その間、社長は黙って頷きながら聞いてくれました。
プレゼンが終わり、少し考え込んだ社長は私にこう言いました。

社長
「まず、大したものだね。ここまで淀みなく説明できるって中々できないよ。
流石、最速・最年少で執行役員になった男だね。
最初に俺の考えを言わせてもらうと、正直、もう50歳を超えた俺にはアプリとかプラットフォームとかってのはピンとこないんだ。
これはSの言うことが難しいとかじゃなくて、世代的にしょうがない部分だと思ってくれ。
ただ事業としては素晴らしいと思うし、ちゃんと作りこまれているのだと思うんだけど・・・

俺は成功しないと思う

これって最初は個人経営の薬局、もしくは小規模薬局がメインの利用者になるよね。
で、次にウチみたいな10~30店舗持っている中小企業が参入してくるって感じかな。大手はもっと後になるよね。
成功しないっていうのは俺の体感の話なんだ。
やりたいことは明確で素晴らしいと思う。
でもアプリとかプラットフォームを使いこなせる薬局経営者が圧倒的に少ないと思うんだよね・・・
M&Aが盛んになった今でも経営者は圧倒的にオジサンばっかりさ。
うちは S みたいな優秀な奴がいるから、そういう目新しい便利なものをすぐに導入して成果をだせると思うけど、個人経営の薬局や小規模薬局で薬剤師をやっているメインの人達って俺みたいなもんだよ?俺だぜ?
新しい技術についていけないのよ。
俺も30年近く社長業をやっているからさ、色々な薬局の在庫内情とかも知っているけど酷いものさ。目も当てられないよ。ほんと酷い。
うちの薬剤師だって使いこなせる奴と出来ない奴に別れるよね?これがまず一つ目だね。

二つ目は俺が理解できないものには手を出さない。
これは資金を投じる上では鉄則だね。
Sが理解できていても俺はSの理解度に付いていけないんだ・・・
正直、これが失敗すると思う一番の理由かもしれない。
Sの事業が悪いんじゃなくてうちの会社が対応しきれないって話だね」

以上が社長の話でした

非常に論理的で何一つ間違っていない話だなと思いながら聞いておりました。
確かに私は便利なものは自然に広まっていくという考えでプラットフォームを作ろうと考えておりましたが、社長はそのプラットフォームが実際に使われる未来を想像しながら話を聞いてくれていたのです。
広め方・・・つまりはマーケティングなどもしっかりと煮詰める必要性があることに気づかされました。
自分が勝手に盛り上がっていただけで、現実はそう上手くいかないのだな。しょぼん(´・ω・`)・・・っとなっていたところに

社長「Sがやればいいじゃん」

S「( ,,`・ω・´)ンンン? それはどういう・・・?」

社長「いや、あくまで我が社では難しいって話だからね。そのアプリ、広め方を間違えなければ成功すると思うし、なによりも多大なる社会貢献になるよね。Sがそのために動くっていうなら止める理由は一つもないね」

S「でも・・・うちで役員もやっているし・・・」

社長「別に問題ないよ。俺だって他に会社持っているわけだしね。
我が社の業務に影響がでなければOKだよ~
正直、Sが失敗しても成功してもわが社にはプラスでしかないね。
失敗しても貴重な経験をしたSはうちの宝物だし、成功したら日本から不動在庫をなくすことができるから(笑)
いつかはこういう奴が会社から出てくると思ってたけど、やっぱりSだったか~嬉しいね」

こうして私に新たな道が目の前に描かれました。
自分が起業・・・考えてこともなかったです。
こうして悩みに悩んで決断の時がやってきます。

次回、「起業編」へ

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⇩私が薬剤師をやりながら起業した会社はこちら⇩

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