大卒だけど高卒のふりしてる話①

私は地元の旧帝大を卒業した。

しかし今の職場にパートで入社する時、履歴書に高校卒業までしか記入しなかった。

その結果、平和に生きることができている。

学歴の話は大嫌いなのでリアルでは絶対にしないのだけど、ネタにはなりそうなのでnoteには書いてみようと思う。


新卒で就職する時(私は100社以上落ちて1年就職浪人していたので正確には既卒だったのだけど)は、きちんと正直に書いた。

地元の中小企業の一般職に何とか採用してもらえたけど、居心地は非常に悪かった。

指導係の先輩は地元の私大卒だったせいか、ことあるごとに「やっぱり○大卒だから私より覚えが早い!」と言われたり、

ワンランク下の国立大卒の先輩に、私服にケチをつけられたり、初めての飲み会で長々と説教されたりと嫌がらせのようなことをされた。

よくよく聞けば社長は学歴コンプレックスがある人らしく、私は高学歴だからというだけで採用されたっぽかった。

結果、2回目のボーナスをもらった後早々に退職した。


その後は派遣会社を転々としたが、その時もまだ正直に書いていた。

とにかく残業が嫌で、17時には帰れる仕事を探したせいか、主婦が多い職場に当たることが多かった。

そのせいか入社前から「○大の子」と呼ばれ、「○大出てるのになんでこんなところにいるの?!他に仕事いくらでもあるでしょ!」と初対面から説教をされ、気がつくと仲間外れになっているのが常であった。


そして25才の時に添乗員派遣会社に入社する頃には、学歴を隠したいという思いが強くなった。

添乗員の仕事なんてすぐ辞めるかもしれないしまぁいっか、と軽いノリで高校卒業までしか書かなかった。

(幸い高校は有名な進学校ではないので、疑われることはなかった。)

これが結果的に大成功であった。


一緒に働くドライバーさんやバスガイドさんはほぼ100%高卒だった。

たまに学歴の話になると、大学名は伏せて一応大学は出ているとまでしか言わなかったけれど、それでも大卒なんてすごいなと言われるのがお決まりであった。

一度地方の温泉のフロントのお兄さんと仲良くなりたくて、学生時代と同じノリで「○○さんは大学出てからずっとここで働いてるの?」と聞いたところ、

「だ、大学なんて出てないですよ!」


と驚かれたこともあるくらいだ。(後から聞いたら彼は専門学校中退だった)


一度だけ同じ大学を出ている子が入社したことがあった。

彼は研修の時点でお局から「今度入った子は○大出てる子なの」と言いふらされ、他の添乗員達からも「そりゃすぐ辞めるな!こんなとこ来ちゃダメでしょ!」と笑い者にされていた。

そして添乗員歴○十年のおじさんおばさんから自己満足でしかない説教をされては、些細なミスを大袈裟に言いふらされ、ツアーに数本乗った後に姿を消した。

怖かった。

一歩間違えたら間違いなく自分に降りかかっていた出来事なのだ。

履歴書に学歴を正直に書かなくてよかったと心の底から思った。


結局、添乗員派遣会社には5年間在籍したが、私の素性がバレることはなかった。


しかし添乗員派遣会社には比較的長く在籍していたせいか、困ったことがあったので②に続く。